2022年度政策討議演習(栗山班)

2022 年度 政策討議演習 (栗山班)

活動報告


栗山町のハサンベツ里山では、20年ほど前から、地域住民のボランティアによって里山の自然環境保全の活動が行われてきました。しかし、現在、保全活動を継続する上で、活動を担うボランティアの高齢化、担い手・協力者の不足などの課題に直面しています。栗山町担当班では、栗山町役場からこれらの課題について提示を受けて、政策分析、提言を行いました。

栗山町を訪問し、実際にハサンベツ里山でのボランティア活動に参加するとともに、栗山町役場職員にインタビュー調査を行い、班員のブレーンストーミングにより、①行政と町民の意識の隔絶感、②誰が保全するか、関係者間の活動への意識の差、③組織や人、情報の連携不足といった課題があるとの仮説設定を行いました。

その後、ハサンベツ里山計画実行委員会、自然教育を行うNPO法人などにインタビュー調査を行うともに、栗山町民や学生に対するアンケート調査を実施しました。また、NPO法人キウシト湿原・登別など先進地視察もあわせて行いました。

その結果、①関係者間での定期的な協議の場を設け、里山のルールづくりを行うなどの組織と体制の土台固めを行うこと、②ハサンベツ里山のファンを増やす認知度向上の取組を行うなどの提言を行い、あわせて実現のためのロードマップを整理して提示しました。日本全国で、地域の活動の担い手の確保が課題となっている中で、今回の提言は他の自治体でも参考となる意義のある内容となりました。

提言作成後、栗山班員が栗山町長と教育長に対してプレゼンを行い、率直な意見交換を行いました。今回の授業を通じて、仮説設定、現地でのインタビュー調査やアンケート調査、先進地視察を行った上で、班員間での議論を踏まえた政策提言を行うことができ、社会人学生にとっても、これから就職を目指す学生にとっても、自治体の地域独自の政策課題に現場で真剣に向き合う貴重な経験となりました。

(担当教員:中尾文子、山本直樹)

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