学生の提言活動
2020 年度 公共経営特論Ⅲ・環境政策事例研究
活動報告
第二学期において、公共経営特論Ⅲとして北海道電力様及び北海道経済産業局様のご協力により、北海道のエネルギー供給、特に電力供給の諸課題について学んだ。
電力の特性から常に需給を同量になるようにバランスをとることを制約条件としながら、3E+S、すなわち安全確保を前提としつつ、エネルギーの安定供給、経済性、環境適合性という互いに相反する側面のある目標を目指した取り組みについての知見を学ぶことができた。特に、2011年以来の原子力発電規制強化、2018年の北海道ブラックアウト、2020年の送電事業の法的分離に至る電力自由化、さらには2050年カーボンニュートラルと新たな課題が次々に現れる中で、公益と深く関わる企業活動の在り方について学んだ。
さらに、環境政策事例研究と合同の取り組みとして、北海道ガス様のご協力もいただいて、巨大なガスタンクから個人宅への配電や熱供給までエネルギー供給の現場の施設見学も行うことが出来た。
授業の後半には、学生のグループワーク・プレゼンテーションの機会を設け、ご協力いただいた企業の方々からも貴重なコメントをいただいた。様々な技術や環境影響と政策の交点である文理融合の分野であるとともに、外交と地域の取組が深く結びつくグローカルな課題の現場について学ぶことが出来た。
2019 年度 政策討議演習 (石狩班)
活動報告
「市民ひとり一スポーツ」というスポーツによるまちづくりの目標を掲げている石狩市では、市民の健康寿命の延伸を目指し「石狩市健康づくり計画」を通じて様々な機会を市民に提供しています。例えば、定期的に開催するカローリング大会やウオーキングイベントなどがあります。
そんな石狩市のスポーツ・健康づくり政策における課題は、施策利用者がやや高齢者に偏っており現役世代に十分に効果が届けられていない可能性があることと、スポーツ振興や健康づくりを支える官民の団体や施設といった地域資源の連携・相互作用が不十分な状態にあるとみられる点でした。そこで研究グループでは、石狩市内の小中学校生や石狩市民を対象としたスポーツ習慣に関するアンケート調査を実施するとともに、地域資源の連携で先行事例とみられるケースを取材するために東京都大田区と山口県宇部市のスポーツコミッションを訪問取材しました。
これら調査で得られたデータと地域情報を分析し、地域資源の統合活用を目指す組織体「いしかりヘルスポ」の設置を政策提言としてとりまとめました。政策提言は石狩市現地に出向いて官民双方の関係者にプレゼンを行い、地域の将来ビジョンについて率直な意見交換を行う機会をいただくことができました。
2019 年度 政策討議演習 (喜茂別班)
活動報告
今後、北海道新幹線の延伸、高速道路整備、冬季五輪の誘致、インバウンド需要の高まりなどにより、道内の人の流れや観光について大きな変革期を迎えていくことを背景に、中山峠に象徴される「通過型」の街であった喜茂別町を如何にして「滞在型」の街にしていくのかについて、議論していきました。
喜茂別町が日本での栽培発祥の地であるホワイトアスパラガスの収穫などの農作業体験や食の体験、渓流釣りなどの喜茂別の自然の魅力を活かした体験やそれらの組み合わせや、ようてい・西いぶりエリアの観光資源等も活用して、喜茂別町を宿泊の地として滞在する者を増やし、関係人口の増加に結びつけようという政策提言をとりまとめました。
現地での行政や諸団体等関係者へのヒアリングなどで、喜茂別町の方々からも直接様々な意見をお聞きすることもでき、公共政策を考えていく上で、貴重な機会となりました。