2021年度 政策討議演習(余市班)
2021 年度 政策討議演習 (余市班)
活動報告
公共政策大学院と余市町は、2021年3月に包括連携協定を締結しています。
余市町においては、現在、ワイン用ぶどう栽培農家は50軒近く、ワイナリーも15軒を数え、全国でも有数のワイン産地となっています。ワイン産業を活用した余市町の活性化をテーマに学生たちは検討を開始しました。
まず、余市町の複数のワイナリーを訪問して取材するとともに、北海道内外のワイン産地の振興策について、文献や地方自治体への書面取材等により調査し、参考となる先進事例の整理を行いました。
さらに、余市町では、ワイン産業以外に果樹・漁業も盛んであることや、観光振興に課題を抱えていることに着目し、果樹農家・農協・漁協・観光協会・商工会議所・青年会議所・宿泊業者・飲食業者・酒販店・地域交流団体などにも取材を行い、余市町の豊かな資源をフルに活用した地域活性化策を検討することにしました。
こうした地道な現地調査の結果を踏まえ、学生より、『「食と酒のまち余市」に向けて―地域連携プラットフォームの提案―』と題して、余市町への政策提言をまとめました。提言では、ワイン産業の振興に加え、地域の産業を構成する様々な団体・事業者が地域活性化のアイディアを出し合うプラットフォーム(交流の場)を設けることや、アイディアの実現に向けたプラットフォームの具体的な運営方法や行政の支援のあり方などについてまとめました。提言の作成にあたっては、取材を行った団体・事業者に案を提示してさらに意見を求めたり、同様の仕組みを設けた他の地方自治体にオンラインでインタビューするなど、より実現性の高い内容となることに努めました。
提言をまとめた後、余市町役場との共催で地域住民向けの説明会をオンラインで開催するとともに、齊藤啓輔町長に面会し、役場職員の方々も交え率直な意見交換を実施しました。のべ十数回にわたる現地取材による現状と課題の把握、先行事例の調査・分析、町長や地域住民へのプレゼンテーションなど、学生にとって貴重な経験となりました。
(担当教員:中園和貴、中尾文子)