社会で活躍する修了生
地方公務員
北海道十勝総合振興局産業振興部水産課漁業管理係主事
及川 真輝【12期生】
私は北大水産学部を卒業後、12期生としてHOPSに入学、技術政策コースでの学修を経て、平成29年4月に北海道の宗谷総合振興局水産課へ入庁しました。現在は十勝総合振興局水産課に配属されて、北海道の水産業の発展、ひいては浜の漁業者のために、日々業務に邁進しています。
学部時代から公務員を志してはいましたが、文理融合を掲げるHOPSでの学びの数々が、志望動機をより強いものとしてくれたと実感しています。リサーチペーパー執筆を通じて、クロマグロ資源管理が及ぼす日本の漁業における問題に取り組んだことも、大きな経験となりました。
令和2年12月に、70年ぶりに漁業法が改正され、北海道の浜においても、大きな節目を迎えたところです。法律と浜の実務との間には、地域ごとに多くの課題がありますが、そんな「待ったなし」の課題に携われることも、北海道庁職員の醍醐味だと感じています。
(2021年度パンフレットより)
シンクタンク
株式会社富士通総研 行政経営グループ
森川 岳大【13期生】
医療政策、国際協力に興味がありHOPSに進学しました。現在は株式会社富士通総研にて医療や保育、災害分野の調査業務に従事しています。
人口減少や高齢化の進展に加え医療分野では職員の確保や在宅医療の充実、病床機能の分化・連携の促進等、数多くの課題がある北海道において理論と実践の両面から学ぶことができたのは「限られた資源を効率よく配分する」という思考力を身につける上で貴重な経験となりました。また、リサーチペーパーの執筆を行う中での調査スキルや論理的思考力、大学内の他大学院のプログラムへの参加による各政策分野に関する専門性を高める事ができるのもHOPSに入学する魅力の一つだと思います。
政策を考えるには文理を問わない幅広い知識と論理的思考力に加え、議論を前進させるコミュニケーション力が求められるかと思いますが、その基礎力を大学院の2年間で磨くことができたと感じています。
金融機関
三井住友銀行
松山 耕【11期生】
HOPSを卒業後、三井住友銀行に入行。新宿の法人営業拠点で輸入業者や不動産業者への融資業務、SaaSベンチャー等の新規開拓、並びに業績悪化企業の債権管理・再建支援などを経験。現在はSMBC日興証券投資銀行本部にて銀行等金融機関並びに地方公共団体を含めたパブリックセクターを顧客として、資本政策、M&Aやファイナンス戦略の提案を行う投資銀行業務に従事しています。日々変化する規制環境、経済情勢やビジネス環境の情報を取り込みながら、チームで提案を繰り返す仕事は非常にスリリングであり、とてもやりがいがあります。
北大では法学部を卒業後、世の中の課題解決に資する勉強をしたいと思い、HOPSに入学しました。文理融合のもと、自分のバックグラウンドとは異なる領域に対しても議論とリサーチで理解を深めていくHOPSでの学習は、顧客の課題解決の為に持てる知見を総動員して説得力を持った一つの提案を作り上げる投資銀行の仕事にも通じています。チームで磨き上げた仮説と解決策を顧客に評価していただくためにどうしたら良いか、政策討議演習での経験を振り返り考えながら仕事をしています。
HOPSにこれからご入学される皆さんには、自分の知らない知識、自分とは異なる考え方に対してオープンであっていただきたいと思います。公務員、企業等々進む先は様々ですが、社会の課題解決に向けて議論することを通じて皆さんそれぞれの持つ良さが共有されるためには、何よりも重要であると思います。そして是非、自分の興味のある分野を勉強し、一緒に勉強をする仲間に知見を与えられるよう精進しましょう。
金融機関
野村證券株式会社 名古屋駅前支店 ウェルスパートナー課
吉 浩倫【11期生】
研究生の時期も含め、2014年9月から2年半HOPSに在籍し、国際政治を中心に学んでいました。修了後は、野村證券株式会社に入社し、富裕層や法人オーナーの「新規開拓」をメインに仕事をしてきています。
現在所属する名古屋駅前支店には160人の社員がいますが、中国人は私だけです。「中国人」である特徴を生かし、今まで「中国セミナー」を6回企画しました。大学院時代に知己を得た先生に講師を務めていただいたり、駐名古屋中国総領事館と連携し、総領事や上場企業の役員にも出席していただきました。
相場は国際情勢に左右されることが多く、顧客から相談されることも多いです。会社が中国での営業許可を得て、中国市場がますます重要になる中、HOPSで学んだ知識や方法論を用いて新しいビジネスモデルを創出することで、ますます活躍の場を広げられると信じています。
(2020年度パンフレットより)
報道機関
NHK富山放送局 映像制作グループ
荒川 卓也【9期生】
私はHOPSで国際政治や近代史を中心に学び、修了後NHKに就職、青森放送局を経て現在は富山放送局で勤務しています。ニュースや番組で、記者やカメラマンなどが現場で取材した映像や情報をわかりやすく編集し、放送に乗せるのが主な仕事です。伊勢志摩サミットなどの際にはニュース7など全国放送にも携わりました。
業務で求められるのは数多くの情報の中からニュースの「本質を見抜く目」。充実した学びへの支援の下、自らの問題意識に対する見分を深めるだけでなく、様々な場で多くの人と議論を重ねる中で多種多様な問題の基礎知識を得て、その根源を考えることができたHOPSでの2年間は私の「目」を養ってくれたと思います。
この「目」を通して切り取った社会が、将来の歴史家の一次史料になる。そんなことを考えながら日々の仕事に向き合っています。
(2020年度パンフレットより)
国家公務員
内閣官房副長官補付 参事官補佐(財務省から出向中) ※HOPS教育課程連携協議会委員
山下 直樹【1期生】
財務省へ入省以来、様々なポストで様々な政策課題に取り組んできました。農林水産関連の予算や税制の対応に農水省と協力して取り組んだ。世界銀行への出資担当として、各国と協力してグローバルな開発課題に対応した。タイの大使館で、多くの日系企業と協力して、日タイの経済協力を深化させた。国税査察(マルサ)で、各地の現場の査察官を指揮し、グローバル化の中での国税調査を進めた。総理官邸スタッフの一員として、全省庁と協力して、外国人材の受入れ拡大をはじめとする政権の重要課題に取り組んだ。
各政策課題の垣根を超え、省庁の垣根を超え、官民の垣根を超え、地域・国・グローバルの垣根を超え、縦割りにとらわれない政策立案・政策執行を進める機会が格段に増えています。それぞれの政策に関する知識(「in」の知識)を磨くことはもちろん、政策をいかに進めていくかの知識(「of」の知識)と経験とセンスが求められます。縦と横の両方を有する「T字型」の人格形成に努める必要があります。
HOPSの門を開き、そこでの経験を通じて「目」を見開いてください。自分の可能性を広げてください。世界は広がっています。「君子は器ならず」という故事を胸に、小役人ではなく、自分だけの利益ではなく、右でも左でもない、日本そして世界の運営を担うといった気概をもつ大きな人物となるよう自分を磨いていってください。
(2019年度パンフレットより)