• HOME
  • >
  • HOPSからの発信
  • >
  • コラム

柿澤未知(北海道大学公共政策大学院准教授)


1.はじめに

2013年9月に外務省から北海道大学公共政策大学院に出向してきて、早いもので既に1年が経過した。外務省においては、一貫して台湾、中国に関する情勢分析や政務関連業務に携わり、本学においても、日本外交や東アジアの国際政治に関する講座を担当している。ここでは、実務家教員としての現下の問題意識を披歴することにより、読者が我が国の外交・安全保障及び「台湾問題」に関して考える一つの材料を提供することとしたい。なお、如才なきことながら、本論考はあくまで研究者としての個人的見解であり、いかなる組織・団体の見解・立場を代表するものではない。

2.集団的自衛権行使容認の閣議決定

 今年7月1日、安倍政権は「国の存立を全うし、国民を守るための切れ目ない安全保障法制の整備」に関する閣議決定を行った。周知のとおり、この閣議決定は、「我が国に対する武力攻撃が発生した場合のみならず、我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある場合において、これを排除し、我が国の存立を全うし、国民を守るために他に適当な手段がないときに、必要最小限度の実力を行使することは、従来の政府見解の基本的な論理に基づく自衛のための措置として、憲法上許容されると考えるべきであると判断するに至った。」として、これまで憲法上許されないとされてきた集団的自衛権の行使容認に踏み出したものである。

 この閣議決定を受けて、政府は、①我が国に対する武力攻撃が発生したこと、又は我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険があること、②これを排除し、我が国の存立を全うし、国民を守るために他に適当な手段がないこと、③必要最小限度の実力行使にとどまるべきこと、を「自衛の措置としての武力行使」の3要件と定めた。内閣官房の説明によれば、何をもって「我が国の存立が脅かされ、国民の生命及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険」があると判断するのかは、「現実に発生した事態の個別・具体的な状況に即して、主に、攻撃国の意思・能力・事態の発生場所、その規模・態様・推移などの要素を総合的に考えて、我が国に戦禍が及ぶ蓋然性、国民が被ることになる犠牲の深刻性、重大性など」に基づいて判断するとされている。つまり、我が国が集団的自衛権を行使するか否かについては、発生した個別の事態の性質に基づいてその都度判断するということであり、仮定のシナリオにおいて集団的自衛権を行使するか否かを政府に問うても、原則として明確な回答は得られないということである。

続きは こちらをクリックしてください。

原田賢一郎(北海道大学公共政策大学院教授)


 先日東京で、前任校の同窓会が開かれたので出席してきました。総務省(旧自治省)出身の実務家教員といいながら「前任校」とは不思議に思う人もいるかもしれませんが、私にとって北海道大学公共政策大学院(以下「HOPS」といいます。)は二度目の大学教員としての職場であり、かつて2006年から2008年にかけて東北大学公共政策大学院に勤務した経験があるのです。その同窓会の席上、かつての教え子であった人たちなどと親しく懇談したのですが、それぞれ中央省庁や地方自治体、民間企業などの最前線で立派な社会人として活躍している様子に接し、自分がかつて携わったことは無駄ではなかったと非常にうれしい気持ちで家路に就きました。
 さて、昨年7月1日よりHOPSで勤務するようになってから、早1年2か月の月日が経ちました。この間に自ら成し遂げたことがほとんどないことに反省することしきりですが、これからも学生諸君と様々な形で接することを最優先にしていきたいと考えています。
 そのこととの関係で私が懸念しているのは、HOPSは、他の多くの公共政策大学院と比較して定員が少ない割に専任教員の数が多いため、学生が自ら希望するのであれば密接な指導を受けることができるという非常に恵まれた環境にあるにもかかわらず、それを積極的に活かそうとする学生が少ないように思われることです。いくつかの中央省庁や都道府県、市町村などでの勤務を通じた私個人のこれまでの乏しい実務上の経験だけでも、学生諸君の勉学や進路選択に関して参考になることは多いのではないかと思うのですが、研究室の扉を叩く学生が少ないのは非常に残念なことです。
 ホームページという公開媒体に掲載されるコラムという性質上、このような内輪のお説教めいたことを書くのもどうか、例えば人間観察や落語鑑賞等の自分の趣味などについて書いた方がいいのではないかとも思いましたが、新しい実務家教員の先生方もお迎えしたこの時期だからこそ、学生諸君の奮起を促す意味で敢えて苦言を呈した次第です。
9月末から始まる2学期に、授業以外の場でも多くの学生諸君と対話することができることを今から楽しみにしています。

工藤教孝(北海道大学公共政策大学院准教授)


  2013年7月11日に北海道大学公開講座の講師を担当し、「日本の物価を考える」とうテーマで市民の皆さんに講演を行いました。物価という視点から安倍政権や黒田日銀の経済政策、そして日本経済の今後についてマクロ経済学の分析手法を使って議論をしました。これはHOPSでの担当科目「マクロ経済学」の内容にも通じるものです。講演の模様はビデオ録画され、ウェブ公開されていますので、興味のある方は以下のアドレスにアクセスしてみてください。
http://ocw.hokudai.ac.jp/OpenLecture/OpenLecture/2013/CommodityPrice/
ページの先頭へ