エクスターンシップ体験談(中央省庁等/地方自治体)

草川 晶太郎(実習先:霞が関インターンシップ(警察庁))

2007/8.23-8.24
私は今回、8月23日~24日の2日間、人事院霞ヶ関インターンシップの警察庁インターンシップに参加致しました。受け入れ先の性質上、インターンシップにおける実務実習は難しいとのことで、その内容は短期間のワークショップ形式のものとなりました。

私はインターンシップ開催の前々日に東京入りし、その翌日に下見にも行ったのですが、それでも当日の朝はかなり緊張しました。早めに現地に着き、警察庁内 の集合場所にて待機しておりましたが、この2日間で、果たして自分は自信をつけて帰れるのか、それとも打ち砕かれて帰ることになるのか、そのような不安で いっぱいでした。そして時間になり、今回の担当の方に庁内通行証が配られました。それを胸に付けると「いよいよだな」という感じで、更に緊張が高まると同 時に気持ちも引き締まりました。そしてその後は、人事の方のお心遣いもあり、徐々に雰囲気にも慣れることができました。

インターンシップの最初に、今回のプログラムや警察庁組織についてのオリエンテーションを受け、その後に庁内見学をさせて頂きました。人事の方のガイドの 下、警察庁の様々な部署を訪問し、お話を伺うという形式です。当然ながら、機密度の高いフロアや部署は見学できませんでしたが、一部部署では実際に業務を 行っておられるオフィスに入って見学する事もできました。予想していたほどの重い雰囲気やピリピリしたような緊張感はなく、引き締まった空気の中ではあり つつも、比較的リラックスして業務に当たられているのでは、という印象を受けました。また、各部署の方のお話も非常にわかりやすく、質問等にも丁寧に対応 して頂きました。こういった仕事の現場を見ることができ、職員の方の生の声を聞くことができたという点でも、札幌から霞ヶ関まで行った価値はあったと感じ ております。

そして、基礎講義と具体的なディスカッションテーマの提示を受け、グループワークへ。今回のインターンシップで取り上げた課題は「テロの未然防止対策を考 える」ということで、正直なところ、これまで私が学習・研究していた分野とは異なる部分も多く、戸惑いもありました。が、事前学習用の資料や関連ホーム ページ等から得た最低限の知識を駆使して、グループで協力して課題に取り組みました。また、HOPSの集中講義で行った、荒田英知先生の交渉合意形成手法 に近い形式であったため、議論は進めやすかったと思います。しかし、それでもその日が初顔合わせのメンバーによるグループディスカッション。テロ対策とい う具体的なテーマにも慣れていないこともあって、当然ながらグループ内では意見が分かれたり、まとまらなかったりなど、グループワークはしばしば難航しま した。初日は終了予定の時刻の6時15分を過ぎても到底翌日に発表できそうなレベルに至らず、四ツ谷のファミリーレストランにてグループ全員で夜10時頃 まで話し合いました。

翌日も朝からグループワークを継続。特に発表が近づくと、パワーポイントの作成など、議論と平行して発表の準備も行いつつ、議論を進めました。最後はギリ ギリで仕上げたため、発表のリハーサルもまともに出来ませんでしたが、何とか時間内に形にする事ができました。本番の発表に関しても、緊張はしたものの、 うまくメンバーで分担して行うことができたかと思います。発表後に鋭い質問もいくつか受けましたが、メンバー全員で協力して応対するなど、この2日間で少 しは知識も身についたかと感じました。

この後ご講評を頂き、今回のインターンシップのプログラムは終了しました。その後、参加者と今回お世話になった職員の方とともに、懇親会を催して頂きまし た。その場では、インターンシップの感想や意見の交換のほか、職員の方の仕事に対する情熱などを知る事ができました。このようなお話を伺える機会は非常に 少ないでしょうし、その内容も熱いものでした。私自身もそれを今後の学習のモチベーションにつなげていければと思っております。

今回のエクスターンシップでは、本当に多くの貴重な経験をすることができ、非常に中身が濃い2日間だったと感じています。完成度の高い発表ができたかどう かはわかりませんが、2日間という限られた時間の中で、この半年間HOPSで学んだ知識や技術を生かし、少なくとも自分なりにベストを尽くせたのではと 思っています。自信がついたかどうかはわかりませんが、少なくともそれまでの自分を打ち砕かれたということはありませんでした。また、発表や議論以外に も、警察庁の職員の方々や他の院生とのコミュニケーションを通じて得たものも多かったかと思います。今回の経験を糧にして、これからのHOPSでの学習・ 研究にも一層力を注いでいこうと思っております。

尚、今回調査・研究し切れなかった部分やご講評頂いた点につきましては、グループでの研究を継続し、年末に再び霞ヶ関にて行われる最終合同発表会にて発表 することになっております。より完成度の高いものを作り上げていけるように、これからも引き続き努力したいと思っております。

木場 俊介(実習先:霞が関インターンシップ(総務省情報流通行政局情報流通振興課))

2008/9.12-9.25

9月12日から約2週間、人事院主催の霞ヶ関インターンシップに参加しました。参加府省からそれぞれ課題提示がされ、その中から自分が興味のあるものを選択しお世話になる府省を決定するという方式でした。私は情報政策に興味があり総務省を希望、見事に希望が叶う形で総務省情報流通行政局情報流通振興課で2週間お世話になることになりました。

インターンシップの内容はというと、基本的には省内でのデスクワークでしたが、会議や委員会の傍聴や関連機関(関東総合通信局)での業務説明や施設見学等、非常に充実した内容でした。

お世話になった部署ではICT(Information and Communication Technology)の利活用に関する業務を行っており、様々な施策を扱っていましたが、私が特に興味を持ったのはユビキタス特区というもので、これに関する説明を受け、資料を頂くことができたので、実際の業務を体験しながら学ぶことが多くありました。ユビキタス特区とは、九州や北海道地域において特別に電波利用に関する規制緩和を行い、そこで様々な新技術の実証実験を実施することを複数のモデル事業として行うことです。札幌では実際に市営地下鉄大通駅の地下街で「次世代ワンセグ放送」の実験配信を洞爺湖サミット期間中に実施し、海外メディア等に対してもアピールを行っていました。この他にも各地でモデル事業が実施されていますが、総務省ではそれらの事業を公募し、対象となる事業を選定、事後の評価まで、一連のとりまとめを行っています。今回私はユビキタス特区の対象となる事業の分類資料作成や詳細説明をしていただくことで、この施策への興味が湧くと同時に、その内容を学びました。

今回は、財務省への予算要求という、1年で最も忙しくなる時期と重なってしまい、お世話になった課の皆さんにはお忙しい中説明をして頂いたりと、ご迷惑をおかけしてしまったかと思いますが、貴重な経験になったのではないかと思っています。

山本 和哉(実習先:霞が関インターンシップ(法務省保護局))

2010/7.26-7.31

1.志望動機

私は2010年7月26日から31日までの5日間、法務省保護局において実習させていただきました。今回、霞ヶ関のエクスターンシップに応募した理由は、三点あります。一点目として、私は、将来の進路の選択肢の一つとして国家公務員を考えていることから、霞ヶ関での実習を通して今後の進路を明確にするための判断材料にしたいと思ったからです。二点目は、公共政策大学院で学んでいる理論(たとえば、政策評価・分析、交渉・合意形成論)を実践する場に立ち会いたかったからです。エクスターンシップは、実際に政策がどのような過程を経て作られていくかを学べる良い機会であるという思いがありました。また、三点目として、私は現在、社会的弱者の支援をするボランティアに携わっているため、特に社会復帰が難しいと言われる「犯罪をした人」や「非行のある少年」に対する地域住民の理解や協力をどのように得るかについて興味があったことから、このような人に対する更生保護を担っている法務省保護局をエクスターンシップの志望先としました。

2.実習内容

主な実習内容は、①各課の職員による業務説明、②「社会を明るくする運動」のワークショップ事業への参加、③新規施策の検討会議への同席、④デスクワーク(データの打ち込み等)でした。

①業務説明に関しては、担当の方々がわかりやすく更生保護行政の内容について教えてくださり、また、質問もしやすく、職員の方々が日々どのような考えをもって仕事に励んでいるかについて学ぶことが出来ました。

次に、②「社会を明るくする運動」のワークショップ事業への参加についてですが、まずこの運動について簡単に説明します。「社会を明るくする運動」とは、「すべての国民が、犯罪や非行の防止と罪を犯した人たちの改善更生について理解を深め、それぞれの立場において力を合わせ、犯罪や非行のない地域社会を築こうとする法務省主唱の全国的な運動」で、今年(2010年)で第60回目を迎えます。今回、私はその一環として行われるワークショップ(「匠に学ぶワークショップin東京芸術大学」)に参加させていただきました。「匠に学ぶワークショップ」とは、親子が一緒に創作・表現活動を行い、専門家と触れ合える場を提供することで、親子のふれあいや子どもたちの健やかな成長を支援するもので、私はその係員として受付や各教室の担当等をしました。

そして、③新規施策の検討会議へ同席したこともまた貴重な体験でした。政策がどのように作られていくのか、その過程でどのような協議がなされているかについて、より具体的なイメージが持てるようになったと思います。

最後に、④デスクワークについては、職員の方々と一緒に仕事をするなかで、国家公務員の仕事の内容・流れや職場の雰囲気を感じ取ることができました。

3.感想

法務省保護局で過ごした5日間は、毎日が新しい発見であり、私にとって非常に有意義な日々でした。実習を通して更生保護やそれに関係する政策の形成過程や、仕事の内容等を学べたことも然ることながら、何よりも様々な職員の方々とお話できたのが良かったと思っています。職員の方々の仕事に対する熱い思いや姿勢など、一般的な説明会では触れることのできないような内容を耳にすることができました。

それから、今回の私の実習期間からわかるように、基本的にエクスターンシップは短期間のものが多いです。その期間を実り多いものにするには、しっかりと事前準備をして高い目的意識を持って実習に臨むことが必要に思います。それにより、実習の充実度が大きく変わっていくと身を以って痛感しました。

実習前は法務省職員というとお堅い方が多いのではないかと思っていましたが、実際にはそのようなことはなく、むしろ気さくで面倒見の良い方ばかりでした。特に、今回の実習の配属先である更生保護振興課地域活動推進係の方々は、とても親切に暖かく迎え入れてくださいました。また、お忙しいなか食事に誘っていただき、仕事のことや就職活動のことについて相談に乗ってくださったり、最終日はビアガーデンで送別会を開いてくれたりと何から何まで感謝の思いでいっぱいです。ありがとうございました。

最後になりますが、今回の実習実施を通じお世話になった関係者の皆様に重ねて心から御礼を申し上げます。

岡本 陽平(実習先:霞が関インターンシップ(文部科学省))

2010/8.16-8.27
「公共政策」という言葉を聞いて、皆さんはどのようなイメージをもたれるでしょうか。すぐに思い描ける方もいれば、全くもって分からないという方もいるかもしれません。私はというと、入学してからの1学期間、公共政策大学院で学びながら、それでいて公共政策というものに明確なイメージを与える事ができないでいました。私が霞ヶ関インターンシップに参加しようと考えたのは、このような自分の状態を克服したいとの思いがあったからです。ここでは、インターンシップに参加してその思いがどのように変わったか、また、どのような発見があったかなどを、お話していこうと思います。

私は2010年8月16日から2週間、人事院霞ヶ関インターンシップのプログラムで、文部科学省生涯学習政策局社会教育課においてインターンシップを行いました。この部局では社会教育全般に関する業務を行っており、その中で私は主に「放課後子どもプラン(放課後や休日に学校などの施設を活用し、地域の協力を得ながら子どもに安全な活動場所を提供する事業)」の推進に関する業務(地方自治体から送られてくる実施データの入力や諸外国の放課後対策の比較研究、実施小学校への視察など)や各種社会教育施設(杉並区中央図書館、社会教育センター(公民館)、国立科学博物館など)への視察に携わりました。

インターンシップを終えた今改めて思い返しますと、この2週間の特に大きな気付きとなったのは、次の2点であった思います。

1つ目は「公共政策をつくっているのは、結局『人』である」という事です。

このインターンシップで何より大きな意識改革をもたらしてくれたのは、公共政策の現場で働いている方々に出会えた事であると思います。先ほど書きました「公共政策に明確なイメージを与えられない」ことの原因のひとつに、それがどこか天の上の出来事のように感じてしまっていたことがあげられます。しかし実際にその場にとびこんでみて、その考えが誤解であった事に気がつきました。すなわち、結局そこで働いているのは「人」であって、笑いもあれば怒りもあり、様々な価値観を持った「人」によって公共政策がつくられていくのだということを実感することができたのです。「そんなことは当然だろう」と言われてしまいそうですが、公共政策に一種の人間味を感じる事ができたことは、今後の学習や研究において、非常に大きな財産になると確信しています。

また2つ目は「現場を知る事が非常に大切である」という事です。

視察などで現地に入ってみると様々な事に気がつきます。自分が机上で想像していた通りの事、あるいは違う事、全く予期していなかった事など、実際に訪れてみなければ気付く事のなかったことがそこには溢れています。国の省庁という性質上、業務の内容は非常にマクロな視点で考えていく事も求められますが、それだけに偏らず、実際に現場を見て感じる事、そこにいる人に話を聞くことがいかに大切かという事をひしひしと感じました。視察の帰り道、「たまにはこういう風に現場を見てまわらないと、分からなくなっちゃうからね」と言った職員の方の言葉が強く印象に残っています。

さらに、もう1つだけ別の視点から付け加えておきたいことは、このインターンシップを通した、たくさんの他大学生との出会いが、かけがえのないものであったという事です。北海道に留まっていては絶対になかったであろうこの出会いは、非常に良い刺激になりました。まわりの学生の意識の高さを感じ、今までにない考え方を知り、同時に自分の可能性についても考える事ができました。さて、この経験からHOPSの学生にぜひ伝えたいことがあります。「関東の学生はやたらとすごい」という話をよく聞きくので私自身萎縮していたところがありましたが、全く気にする事はないと思うのです。皆なら十分に戦えるはずです。あまり大きなことは言えないですが、HOPSの学生はみんな、それくらいの力を持っているということを感じました。

最後になりましたが、このインターンシップでお世話になった全ての人に感謝を述べてこの文章を終わりにしたいと思います。社会教育課をはじめ文部科学省・関係者の皆様、手続きなどしていただいた先生・大学の皆様、ともに勤務したインターンシップ生の皆、2週間、本当にありがとうございました。

針田 高嶺(実習先:霞が関インターンシップ(国土交通省))


2009/8.17-8.21


国土交通省サマージョブに参加して

私は平成21年の8月17日から8月21日まで国土交通省サマージョブに参加させていただきました。
サマージョブでは、今日の日本が直面する国土交通行政上の政策課題に、学生がグループ一丸となって取り組み、最終日には学生独自の視点から政策を提言し、発表を行います。私は「まちをつくる!~新たなまちづくりツールの提案~」というテーマをいただき、都市・地域整備局まちづくり推進課をはじめとする、多くの方々のお世話になりながら、私を含めた9名のメンバーと共にこの課題に取り組み、政策提言を行いました。

「現場を知ることの重要性」

国土交通省は現場に対する深い理解をとても大切にするところです。国土交通行政では現場の問題意識を起点に政策が進行します。サマージョブでもその理念のもと、たくさんの現地視察に参加させていただきました。

現場では何が求められ、どのような問題が存在するのか。

押上・業平地区の区画整理事業(東京スカイツリーの建設現場)、環状二号線新橋・虎ノ門地区の市街地再開発事業、国営昭和記念公園と、三度の現地視察では、東京の最先端の都市計画事業の現場に触れることで、まちづくりに対する着眼力を鍛えることができました。ただ歩いているだけなら見過ごしてしまいそうな街並みも、まちづくりの経緯や問題を意識しながら見ると、新しい発見や疑問が次々と浮かび、とても新鮮でした。

「政策形成における広い視野の必要性」

端的にまちづくりと言っても、その領域は観光政策からインフラ整備、都市開発の金融支援まで、多岐に亘ります。まちづくりを円滑に進めるにはどのようなツールが存在するのか、わたしたちはどのようなまちのあり方を目指すのか。基本的な指針を紹介し、まちづくりに関する知識を涵養するための講義を多数聴講させていただきました。現場の第一線で活躍される職員の講義はどれも刺激的でした。中でも、昨年観光庁が設置され、観光立国の方針など話題を集める観光行政とまちづくりに関する講義では、国内の宿泊旅行が都市・地方の格差を是正する効果を持つこと、人口減少社会における観光が生み出す需要の大きさ、観光立国時代にますます重要となる交流人口の説明など、興味深いお話をたくさんいただきました。

なにより、講義をしてくださった全ての方が仕事に対する情熱を持ち、自分の仕事の面白さ、やりがいなどをわかりやすく説明してくださったのが印象的でした。

「政策は理想と現実を繋ぐ手段であること」

現地視察、職員の講義で学んだことをもとに、わたしたちはグループディスカッションを通じて、ひとつの政策を作成しました。白紙の状態から5日間という限られた時間の中で政策を作り出すことはとても難しく、大変でした。「政策は理想と現実を繋ぐ手段である」。大学院の講義で学び、職員の方からも教えていただいたこの言葉を実行することの難しさを体感しました。しかし、今まで出会うことができなかったまちづくりをしてみたいという共通の興味と問題意識を持った仲間と共に、ひとつの最適解をめざしたという経験はとても楽しく、今後の大きな糧になりました。

最終日の発表会では、他のグループの発表を聞き、また、私たちも発表することで、政策を他者に理解・納得してもらうことの重要性を学びました。発表後の職員の方の講評では、至らなかった点、良かった点を指摘していただき、今後につなげたいと思いました。そしてこのとき、まちづくりをする上で、忘れてはならない大切な言葉を聞くことができました。

「都市は記憶である」

都市にはその都市のミーム(意伝子)があり、ミームそのものと、それを受け継ぐことが、都市をその都市たらしめている。そのような意味ではないかと私は思っています。
私は、サマージョブに参加し、都市に良き記憶を残すことができるまちづくりという仕事の魅力を改めて実感し、将来どこかでまちづくりに携わりたいと強く思いました。

このような素晴らしい経験をさせていただき、国土交通省都市・地域整備局まちづくり推進課のメンターを務めてくださった方をはじめとするお世話になった皆様に、改めて御礼を申し上げたいと思います。本当にありがとうございました。


内藤 智子(実習先:霞が関インターンシップ(国土交通省))


2008/8.4-8.8

国土交通省サマージョブに参加して

「国交省は現場を大切にするところだ。とにかく現場を見てほしい」

これは、今回参加した国交省のサマージョブでオリエンテーションの冒頭に人事課の方が私達に言った言葉です。今回私に与えられたテーマは「東京都渋滞撲滅計画」。5日間を通してこのテーマと向き合う中で、この冒頭の言葉の意味を理屈ではなく肌で感じることができたような気がします。

5日間のプログラムは、職員の方々の講義と現場見学がメインで、最後にチームでの政策提案を行うという流れでした。国交省の中でもとりわけ道路行政は様々な意味で注目されている分野であったので、非常に興味深いものでした。

特に印象深かったのは道路特定財源の一般財源化をめぐる問題についてです。マスコミからの視点との大きな隔たりに驚きを隠せませんでした。なぜ一般財源化に反対してきたのか、その理由がマスコミ報道だけではあまり見えてこなかっただけに、ニュースや新聞との付き合い方を考えさせられました。

また、現場見学では渋滞緩和のために建設されている大橋ジャンクションや、新宿南口の再開発現場などを見ることができました。実際の工事現場を目の当たりにし、デスクワークとはまた違った現場の人々の考え方を知ることができ、大変貴重な経験となりました。

今回のサマージョブでは、ただテーマについての話をするだけではなく、職員の方々が必ず自分が公務員として生きていこうと決意した理由、そして仕事の魅力を話してくださいました。大変なことは当たり前、それでもそれを超えた魅力があるということをあらためて感じました。

ただ、私のチームのメンターとしてついてくださった女性の職員の方が自らの経験をもって自分の思いを実現することの厳しさを語ってくださり、信念を貫くには実行力が必要だと力強くおっしゃっていたのが私の中に強烈に突き刺さりました。

サマージョブの後半は、最終日の政策提案のための話し合いに時間を費やしました。私以外に院生1人と学部3年生が3人の総勢5名が今回のチームです。たまたま同じチームとなった、互いに全く知らないメンバーでひとつの提案を作り上げるというのはこれまでにない経験で、なかなか言いたいことが伝わらなかったりともどかしい思いをすることも多々ありました。でも議論が煮詰まってくるにつれて徐々に結束力が高まり、最終的には他のどのチームにも劣らないプレゼンができあがりました。

最終日の政策提案では実際に企画官の方がわざわざ聴きにいらしてくださり、政策提案に対するコメントをいただけるということで大変緊張感漂う発表会となりました。またたまたま私が発表した部分に東大生からの突っ込みが多くあり(私のチームには東大生はいませんでしたが、他は東大生が多かったです)、それに対して論理的にかわしていくのもなかなか爽快なものでした。私のチームは本当にメンバーに恵まれ、かけがえのない仲間を得ることができました。たった5日間という短い期間でしたが、エッセンスが凝縮された大変充実したものとなりました。

今回のプログラムは実際に行政官の仕事を体験したりそばで見ることはほとんどなく、その意味では普段の職員の仕事を見ることができなかったのは唯一残念なことでしたが、それでも通常は絶対にすることができない貴重な経験をすることができました。

また、予算要求前という霞が関にとっては大変重要かつ忙しい時期にも関わらず、わざわざ講義にきてくださったり、学生の未熟な政策提案を聴きにきてくださったり、その他にも細やかな気配りをしてくださった職員の方々の対応に本当に感激しました。聞くと見るとは大違い。改めて「現場を見る」ことの大切さを今感じているところです。

北海道の学生が霞ヶ関の現場を見るのは、エクスターンシップのような機会を利用しない限りなかなか簡単にできることではありません。だからこそ、このカリキュラムは絶対逃す手はありません。少々金銭的に負担があったとしても、思い切って飛び出して本当によかったと思っています。

この経験を糧にして、希望する進路を実現できるようますます努力していきたいと思います。

小坂 祐樹(実習先:霞が関インターンシップ(防衛省))


2008/8.18-8.29

私は、8月18日から29日(実働10日間)、霞ヶ関インターンシップで、防衛省のインターンシップに参加させていただきました。テーマは「国際的な安全保障環境改善のための取り組み」で、事務官、自衛官や研究者の方に講義と質疑応答形式でお話を伺いました。そして最後に、ディベートと人事院での発表会の中間報告を行いました。

講義は、まず全体の概要から始まり、国際平和協力活動、防衛交流、軍備・軍縮・不拡散、日米安保体制、研究者による国際交流などに関するものが行われました。
この中で、国際平和協力活動では、PKO活動、イラク人道復興支援活動、インド洋海上給油活動と国際緊急援助活動を学びました。特に、イラク人道復興支援活動では、イラクで実際に活動された自衛官から、活動の成果だけでなく、任務に際して大変だったこととして、宿営地建設のときに地権者だと主張する人が何人も出てきてしまったお話や、住民ニーズの整理、他の支援機関との調整といったお話を伺いました。
軍備・軍縮・不拡散では、一般的な軍備管理・軍縮の考えと防衛省のそれとの違いを学びました。一般に、クラスター弾や対人地雷など、それらが必要とされる事態の可能性や人道的な観点から廃絶すべきといわれている兵器であっても、20年30年先を見据えなければならない防衛の観点からは必要であるということでした。また、クラスター弾規制の国際会議における各国の利害衝突のお話も伺いました。
このインターンで学んだことのまとめとして、参加者9人によるディベートを行いました。論題は「日本はアフリカにPKOを派遣するべきである」で、お互いに、PKOを派遣することで、どのような国益があるのか、あるいはないのかといったことを主張しました。この日のために、資料を探して本屋に通ったり、前日は夜9時過ぎまで集まって対策を練ったりと大変でしたが、講義で学んだことに加え、各自の勉強の成果を、互いに発揮できたと思います。普段は仲の良い9人でしたが、この時だけはピリピリして怖かったです。

全体を通して一つ目に、今まで私は、世界の流れだからPKOを派遣すべき、非人道的な兵器は廃絶すべきだと考えていましたが、実際に実務に関わる方や自衛官のお話を聞いて、その派遣にはどのような国益があるのか、その兵器を廃絶して今だけでなく将来の日本を守ることができるのか、ということを考えなければならないと思いました。また、今回の講義で使用されたパワーポイントは、視覚的に非常にわかりやすいものばかりで、行政(行政だけでなくすべてかも知れません)が行う活動は、何事も意義や利益の説明が求められていると感じました。
二つ目に、私は2週間防衛省でインターンをさせていただきましたが、最初は、制服姿の自衛官に物珍しさを感じてしまいました。普段、普通に生活していて、自衛官のお話を聞く機会や、制服姿の自衛官を見る機会はまずなく、隔絶の感があります。日本の防衛を現場で担っている方々と、もっと距離を縮める必要があるのではないかと感じました。
三つ目に、私は今回、8人の他大学の院生とともに参加させていただきました。そこで、各講義での的を射た質問、ディベートでの鋭い反駁や勉強姿勢など、とても学ぶべきことが多かったです。

最後になりますが、お忙しい中受け入れてくださった防衛省の皆様、支援してくださった北海道大学や人事院の皆様、ありがとうございました。

川合 潤(実習先:北海道開発局千歳道路事務所)

2008/8.25-9.5


私は8月25日から9月5日の2週間、北海道開発局千歳道路事務所でエクスターンシップをさせていただきました。もともと北海道開発局の仕事に興味を持っていたこと、自分の進路を決める上での参考にしたかったことなどの理由から千歳道路事務所でのエクスターンシップを希望しました。

実習では主に工事現場の見学・事務所業務の見学をさせていただきました。その他にも実際に働いている方々の考え方を学んだり、私の質問に答えていただいたりと様々なことを学ぶことができました。

現場見学では普段間近で見ることのできない工事現場を本当に近くから見学することができ感激しました。実際にどのような手順でどのようなことを考え工事が行われているのかを知ることができ非常に良い経験になったと思っています。また、どの現場に伺っても事務所の方々と現場の方々のコミュニケーションが十分に図られており、どんな仕事でもそうですがやはりコミュニケーションの構築が重要であると感じました。

事務所では特に工事課計画係の皆さんとお話をする機会があり、道路の設計や予算について様々なお話を聞くことができました。また、防災の日(9月1日)に維持課で地震防災訓練が行われており、実際の災害対応を間近で見学することができました。仮想災害ではありましたが、維持課の方々の緊迫感を肌で感じることができました。

実習をさせていただくなかで道路の計画・工事・維持の全ての段階で安全性の確保を重視していると感じました。計画では道路線形や周辺環境の考慮、工事では現場の安全確保や緻密な施工、維持では道路の安全管理と『道路管理者としての責任』が事務所業務の根底にあるのだと私は思いました。これはどんな仕事についても言えることですが、自分の責任を果たすことが働く上で一番重要なことなのではないかとこのエクスターンを通じて学ぶことができたと思います。

このエクスターンでは実際に業務を行っている『現場』を見れたことがなによりの収穫であったと思います。今エクスターンを終え、自分の進路を本気で考える機会を得られたことに感謝しています。

最後になりましたが、お世話になりました千歳道路事務所の皆様、関係各所の皆様に御礼申し上げます。本当にありがとうございました。

小山 里沙(実習先:北海道開発局石狩川開発建設部維持管理課)

2006/8.28-9.8


私は、今回「北海道開発局 石狩川開発建設部 維持管理課」に、8月28日~9月8日の2週間、防災対策や洪水対策・維持管理を学びに行ってきました。
維持管理課での主な業務は、①ヒアリング、②現場見学、③デスクワークでした。

では、興味がある「災害対応における住民への意識啓発」という課題をどのように解決しているか、担当の係長に資料をお借りしヒアリングさせていただきました。実際に担当されている方の声は、何よりも重みがあり、河川の安全維持において如何に住民の“自助=まずは自分の身を自分で守る”といった気持ちを高めていくか、という責務を語ってくださりました。このように、大学院で学んだ“理論”のにおける自己の問題意識を“実践”の場へ問いかけ、応答からまた関連分野へ話しが展開される、といったやりとりは興味が広がり知識が体系化され考えが多様化されるので、とても有益でした。これからも、視野を広げて物事を考えていきたく思います。
現場見学では3ヶ所を訪れ、総じてやはり「何事も現場から」だと感じました。実際に現場でしかわからない実情は多々あり(ダム管理において、ダムの側面で補修作業をする場合の足場は思いの外狭くて危ない、など)そのような現場を意識して政策を考えていくことが重要だと感じました。
では、いかに課の仕事を理解して自分から仕事をもらいにいくかといった点が課題となり、慣れていくうちに(少しは)仕事の流れ、情報の流れを感じることができるようになったと思います。また、新聞記事のデータベース化をしているうちに、情報源や情報の流れ、課がどのような情報を必要としているかがわかってきました。それによって、課で扱っている業務の関連情報や知識を少しでも備えておくと、順序よく仕事をこなしていくことができることを実感しました。これは今後働いていく上で意識をしていきたいと思います。これらデスクワークを通して、これから働いていく準備となり得るものが大きかったです。
最後に、全体の感想を。

それぞれの課で、河川の安全を様々な分野から担っています。課の中でも各部所ごとに“その分野においては自分しかいない、河川の安全を守る”専門意識という熱い思いを秘めた方々に出会えました。この熱い想いを、私自身もこれから働いていく上で常に忘れずにいたいです。

洪水対策や防災対策ではなかなか動かない自治体や住民といった実態があるため、開発局では、注意を促し喚起していくため国(開発局)が守るべき部分もある、とハードの完備及びソフトへの対応を担っていることを実感しました。こういった気持ちを自治体から積極的に受け取り災害対策に取り組んでいくことは、私のこれからの課題であり、気合いを入れて取り組んでいきたいです。

最後に、理系出身の方々が多い開発局という組織において、いかに河川の安全を守るかという気持ちが熱かったです!! 非常に中身が詰まった実習となり、今回習得したノウハウ等を今後生かしていきたいです。

温かく受け入れてくださった石建(と略すそうです)維持管理課の皆様には心からお礼申し上げます。

栄木 菜緒子(実習先:北海道保健福祉部子ども未来推進局)

2009/8.24-28


私は平成21年8月24日から28日までの5日間、北海道保健福祉部子ども未来推進局でのエクスターンシップに参加しました。昨年、東京都杉並区の保育課と子育て支援課でのエクスターンシップに参加し、公設民営化保育園や子育て応援券、地域連携による子育て支援の重要性について学んだことを踏まえ、今度は地元・北海道での子育て支援政策について勉強したいと思い参加しました。今回は修士2年での参加ですが、昨年から学部卒の1年生に限らず2年生・社会人学生にも参加が認められ、今まで学んできたことを再確認する意味でも行ってよかったと思います。

道庁内での実習では、子どもに関する政策の条例や計画から個別の政策、少子化対策から自立支援まで幅広い分野について学びました。大学院では政策形成に関する理論が多くを占めますが、現場ではその理論を踏まえてどう政策に反映させるか、という具体例が見えるので理解しやすかったです。子ども未来推進局では自分自身の研究内容に関わる分野を扱っていることもあり、今まで学んできたことで感じた疑問や思いを職員さんに伺う中で、新たな発見や研究不足だなというところを認識することができました。また普段接することのない行政の仕事を見ることで、扱う業務の幅広さを感じました。

道庁以外では認定こども園と児童相談所へ実習に行き、直接子どもや親と接している職員さんから生の声を聞くことができました。実際に子どもたちと遊んで触れ合うこともでき、現場に行けるエクスターンシップならではの貴重な体験ができました。

大学院で学んでいる中で、行政の中身を見られるということは滅多にありません。将来公務員を目指している人、民間企業を希望する人、どちらにとっても貴重な経験になると思います。時間に余裕のある方は、エクスターンシップは2回、それもそれぞれ異なる職場に行くことをおすすめします。

最後に、今回エクスターンシップでお世話になりました子ども未来推進局、認定こども園、児童相談所の皆様には、お忙しいところ対応していただき心より感謝申し上げます。


塚谷 春奈(実習先:北海道庁総合政策部地域づくり支援局特定地域グループ)

2009/8.3-14


私は、2009年8月3日から14日までの2週間「北海道庁・総合政策部・地域づくり支援局・特定地域グループ」に実務実習生として受入れて頂き、北海道の過疎政策について勉強させて頂きました。私は以前より北海道の過疎政策について知見を深めたいと考えており、また国と市町村の中間に位置する都道府県行政の仕事についても具体的に学んでみたいと考えていました。今回のエクスターンはその両方の希望が叶う形で実現し、調整に携わって下さった先生方と受け入れを決めて下さった北海道庁の方々に、この場を借りて改めて御礼を申し上げたいと思います。

北海道庁の地域づくり支援局は、地方再生や北海道への移住促進政策など地域に関わる政策に取り組んでいる部局であり、特定地域グループはその中で特に過疎政策を担当しているグループです。特定地域グループでは現在「集落支援員モデル事業」という新しい企画を実施計画している最中であり、私は幸運にもその企画会議を傍聴させて頂き企画書の作成を手伝わせて頂くことが出来ました。政策がグループの方の色々なアイディアを反映しながら具体化していく過程は大変面白いもので、その経験を通してHOPSの講義で勉強した政策形成の知識を具体的に裏打ちすることが出来たように思いました。集落支援員とは、集落を巡回して目配りを行うことや、今後の集落のあり方についての相談会を開催してアドヴァイザーになるなどの役割が期待されている制度ですが、その他にも昨今の厳しい財政状況の中で効果的な過疎政策を実施するために各地域に必要とされている政策を調査し、行政の政策決定に反映させるための報告員となるなどの役割も期待されているものです。この制度は、これから各地域の実情にあった政策が地域主導で行われるために重要な役割を果たす可能性がある政策なのではないかと考えられ、今後もその実施状況をホームページなどで追って学習していきたいと思っています。

研修期間中は、外部に公開されていない議事録など様々な資料を拝見させて頂き、空き時間には質問に答えて頂けるなど、過疎政策について自分なりに考える自習時間も与えて頂けました。過疎政策は、交通政策や福祉政策など様々な政策分野を融合しなければ有効な解決策を打ち出せない大変難しいものです。そのような政策を勉強するにあたって、HOPSで様々な講義を受講することが如何に有用であるかを実感することが出来ました。今後は、HOPSでこのエクスターンで学んだ知識を更に深め、自分なりに北海道の過疎政策について意見を形成することが出来るように研鑽を積んでいきたいと考えています。

研修期間中には、統計作成業務の補助を通じて北海道庁の仕事の一端に触れることができ、道庁の仕事に対するイメージを具体化することが出来ました。また、民間企業への派遣を経験された職員の方のお話を聞く若手の職員の方の勉強会にも参加させて頂き、職員の方の体験や思いをお伺いすることが出来たことは、人生勉強にもなるものでした。そして、女性職員の方にお話を伺う機会もあり、女性にとっての道庁の職場環境について理解を深めることも出来ました。

今回、私は北海道庁という行政組織でエクスターンを行いましたが、その後に民間企業で働いている同級生に話を聞く機会があり、その際に道庁で見聞きした職場環境や仕事内容と比較することによって、より詳しく民間企業についても理解できるようになったことを実感できました。エクスターンは今後の就職だけでなく、これからのHOPSでの勉強や仕事などにも役に立つ貴重な経験になったと思います。

最後に、道庁でお世話になった沢山の職員の方々にもう一度厚く御礼を申し上げたいと思います。本当にどうもありがとうございました。


宗像 絵里香(実習先:北海道庁保健福祉部子ども未来推進局)

2006/8.4-8.15


私は、平成20年8月4日から8月15日までの実動10日間、北海道庁保健福祉部子ども未来推進局にてエクスターンシップの実務研修生として受け入れていただき、お世話になりました。

元から関心があり、リサーチペーパーでも扱いたいと考えているテーマである「子育て支援」や「少子化対策」について、政策や制度に関する、地方自治体の関わり方と現場をぜひ拝見したいという思いから、こちらの部署を希望させていただきました。

庁舎内の実習では、北海道庁や各市町村での取り組みを説明していただき、質問に答えていただいたり、作業のお手伝い等をさせていただきました。HOPS(北海道大学公共政策大学院)での学びでは、政策の背景にある状況の把握や、政策を作っていく過程に関して学ぶ機会が比較的多かったように感じます。しかし、エクスターンシップでは、実際に職員の方々が政策を実行するという姿を間近で見せていただけたことが、大変勉強になりました。また、学生である私にとって、実際の職場を拝見出来るという機会は大変貴重で有意義なものでした。

一方、関連施設へ出向いての実習では、「現場」の様子と、そちらで働く職員の方々の想いなどをお聞かせいただき、心に響くものが沢山ありました。

どちらの場でも、職員の方々に本当に良くしていただき、楽しみながら学ぶことができました。そして、実際の場を体験させていただくことの大切さと、感動を学ばせていただきました。

この貴重な機会であるエクスターンシップを通して、学ぶことのできたことを、今後の学びや将来の進路を考えることに活かしていきたいと考えております。

これからHOPSに入学なさる後輩の皆さんや、今年度はエクスターンシップにご参加なさらなかった同期の皆さんも、何か体験談に関しての疑問等がありましたら、お気軽にご連絡を下さればと存じます。

そして、今回のエクスターンシップの実施に関して、大変お世話になりました、北海道庁職員の皆様、担当者の皆様、関係施設の皆様には、大変お忙しいところ、私の至らない点も多く、ご迷惑をおかけしたかとは存じますが、心より感謝申し上げます。本当にどうもありがとうございました。


勝田 博昭(実習先:北海道総合政策部地域づくり支援局特定地域グループ)

2010/8.9-8.20


私は2010年8月9日から8月20日までの2週間(土曜、日曜を除く)、北海道庁総合政策部地域づくり支援局特定地域グループで実務研修生として受け入れていただきました。今回、エクスターンシップに参加した動機は、過疎地域活性化のために都道府県が果たすべき役割を学びたい、というものです。千葉県出身の私にとって、北海道は農業や観光が盛んで活力ある地域というイメージがあり、いわば「憧れの地」でした。しかし、そんな北海道も実は衰退しているということをHOPS入学後に知り、衰退地域の振興策に興味を持ったのです。

北海道庁の地域づくり支援局特定地域グループは、5名の職員が所属し、過疎地域や離島など条件不利地域の振興に関する政策に取り組んでいます。

実務研修初日には、それぞれの職員がご自身の担当業務について分かりやすく説明してくださいました。道内には179の市町村があり、その約8割(143市町村)が過疎地域に指定されているという説明に衝撃を受けました。(ちなみに私の出身地である千葉県は全54市町村のうち3地域が過疎指定されています)。ほぼ全域に過疎地域が広がる北海道において、過疎対策は過疎地域を振興する政策というだけでなく、北海道そのものを振興する政策という意味合いを持ちます。このことを知り、特定地域グループは非常に重要な業務を担っていると感じました。

翌日からは、過疎地域自立促進事業に関するデータの集計作業を手伝わせていただきました。担当職員の方の説明や資料を参考にしながら作業をしていると、市町村が事業実績に関するデータを道庁の振興局に送り、それを本庁で集計し、総務省に提出するという情報の流れが見えてきます。140以上の市町村・14の振興局から集まってくるデータは膨大な量でした。この作業を行ったことで、道庁は大量の情報が集まってくる場所であり、情報の中継地点としての重要な役割があると感じました。

また、特定地域グループにかかってくる電話を受けることもありました。担当者に取り次ぐだけの簡単な応対ですが、緊張します。社会人としてのマナーをしっかり身につけようと思いました。電話の相手は、総務省や国土交通省、道庁の振興局がほとんどで、住民からの電話を受ける機会はありませんでした。やはり、道庁は国と市町村を繋ぐような仕事が多いのだと思います。

机で作業をしていると、決裁書が回覧されてくることがあります。私も見せていただきましたが、「こんなことまで決裁が必要なの?」と思うような内容もありました。しかし、グループ内で情報を共有するという点や、将来の担当者が参考にできるという点で、必要な手続だそうです。決裁書はグループ内の回覧が終わると、関連する他の部局へ回され、様々な加筆修正が行われます。起案者の職員の方は、「港から出た船は別の船になって戻ってくる」と比喩を用いて説明してくださいました。役所の手続や意思決定は時間がかかりすぎるとか、公務員は前例踏襲主義だ、という批判の声があるのも事実です。しかし、役所の内部を見たことで、組織内の情報共有、意見調整は政策の質を高めるために必要なことだと思いました。

若手職員の研修会にも参加させていただきました。この研修は、地域づくり支援局の主事・主任が参加し、お互いの担当業務について報告するとともに、意見を交換するというものです。堅苦しい雰囲気ではなく、時々冗談めいた発言が飛び出すなど、和やかな雰囲気で進んでいました。活発な議論を行っている職員の方々を見ていると、北海道を活性化させたいという強い思いが伝わってきます。

2週間の研修期間を終えて、私が感じたのは、過疎対策には「答えがない」ということです。どうすれば地域が活性するのか、誰にも正解はわかりません。道庁の職員の方々も日々悩み、試行錯誤しながら、政策を作り上げているように感じました。研修期間中に、私も限界集落対策について意見を求められることがありました。職員の方は、役所の外部の学生の意見でも貴重だとして、真剣に向き合ってくださいました。そして、私の意見を受け止めた上で、「大切なのは、まず動いてみること、何かをやってみること」だと話してくれました。HOPSは「何かをやってみる」には最適な環境です。地域活性化という「答えのない問い」に自分なりの「答え」を見つけるため、今後もHOPSでの勉強に一層努力したいと思います。

最後になりましたが、実務研修生として受け入れてくださった北海道庁の皆様、2週間指導してくださった特定地域グループの皆様、エクスターンシップ受け入れの調整をしてくださったHOPSの先生方に、この場をお借りして厚く御礼申し上げます。


平田 まりあ(実習先:北海道総務部人事局人事課研修グループ)

2010/8.9-8.13

<はじめに>

私は平成22年8月9日から13日の5日間、『北海道庁・総務部人事局人事課・研修グループ』に研修生として受け入れていただき、エクスターンシップを行ってきました。当初、北海道庁・保健福祉部での研修を希望していたこともあり、人事課の方々のご配慮で、8月9日、10日の2日間は、保健福祉部の4課(「医師確保推進室」「医療薬務課」「高齢者保健福祉課」「健康安全局」)にて担当者の方からお話を伺うことができました。

そこで、最初に保健福祉部の内容について簡単に触れた後、人事課での研修について紹介させていただきたいと思います。

<保健福祉部での出来事>

保健福祉部では、基本的に担当者の方から業務内容などをご説明いただいた後で、質疑応答をするという形でした。以前から関心のあった医療・福祉分野における地域広域連携の取り組みや、今後の北海道の方針について、実務家の方々と直接お話しすることができ、大変貴重な経験となりました。1日に午前、午後と2つの課を回ることが多く、時間の都合上フィールドワークに行くことはできませんでしたが、1課あたり2~5人程度と多くの職員の方が対応して下さり、内容も非常に濃いものでした。

<人事課研修グループでの出来事>

人事課の研修グループとは、主に職員の研修などを行っている部署です。研修期間中は自主研究グループ(道職員の自主ゼミのようなもの?)の申請書類の整理や、民間企業等での研修を実施しているか否かについての都道府県アンケートを集計する作業をさせていただきました。また、人事課長からお話を伺う機会もあり、北海道庁ならではの仕事のやりがいや働くことへの熱いメッセージをいただきました。

人事課が行っているような職員厚生に関する仕事は、私たちの普段の生活からはなかなか窺い知ることができません。実際私自身、エクスターンシップをさせていただく前は、人事課がどのような仕事を行っているのか具体的にイメージすることができませんでした。そのような部署で受け入れていただき、仕事の一端に触れることができて本当に良かったと思います。

<全体を通して>

5日間という非常に限られた時間の中では、北海道庁の業務のほんの1部分しか見ることはできません。しかし、北海道庁が非常に広い分野の仕事を扱っていること、同じ部局であっても仕事内容、課の雰囲気等がかなり違うことに気付くとともに、北海道庁の仕事を具体的にイメージすることができました。また、個人的には女性の職員の方から北海道庁での働き方ややりがいについて聞くことができたのが大変参考になりました。

<さいごに>

最後に、今回エクスターンシップでお世話になりました北海道庁の職員の皆さまに、心より感謝申し上げます。本当にどうもありがとうございました。

井上 丹(実習先:青森県企画政策部新幹線・交通政策課)

2006/8.21-9.1

私は青森県生まれで、大学入学まで青森で暮らし、いずれは青森で働きたいと考えていました。学部時代は、交通計画学を専攻し、卒論では新幹線に関する研究をしていました。現在青森県では、2010年完成に向けて東北新幹線が建設されており、非常にタイムリーでした。そこで自ら青森県新幹線・交通政策課を希望し、受け入れ決定となったことで、実習前から非常に楽しみでした。


新幹線・交通政策課は、交通体系の整備に係る施策の総合的な企画、東北新幹線および北海道新幹線、鉄道、航路、航空路線の建設促進に関すること、地方バス、鉄道および航路の維持対策に関することなどを担当している課です。私の希望もあってか、新幹線に関わる事業に多く携わりました。青森県には既に開業している八戸駅と、2010年に完成する新青森駅、その間に七戸駅、さらに2015年完成予定の北海道新幹線に合わせて、青函トンネル付近に奥津軽駅ができます。今回全ての駅に現場見学に連れて行ってもらえたことは、とても嬉しかったし、配慮してくれた職員の方には感謝しています。現場では、担当している市や町の職員の方々から熱心な説明を受け、どういった方針で計画しているのか、現在の進行状況や、残された課題などを聞くことができました。その中で今回は新青森駅について紹介したいと思います。

東北新幹線新青森駅はJR青森駅周辺の中心市街地から西方約4kmに建設され、中心市街地、市内、津軽地方への都市拠点の一つとして、大規模な開発をするのではなく、広域交流の結節点として位置付けられています。よって、駅周辺開発に加え、新青森駅と市街地を結ぶための二次交通の整備、中心市街地の再開発が必要となってきます。

現在の新青森駅周辺地区は、駅前広場、道路、公園、上下水道の都市基盤整備が立ち遅れている状況にあります。そこで青森市が土地区画整理事業を実施し、最低限の商業施設、広場や公園、駅前大通を整備し、緑のイメージに統一することなど、青森らしさを出すような方針で計画されていることがわかりました。無謀な大開発を行うのではなく、地域と調和した開発というものが、これからは重要であると感じました。

二次交通に関しては、中心街と駅が離れているということが八戸駅と同じ立場であることから、八戸駅の二次交通調査やヒヤリング調査を行うなど、先進地の事例や研究を参考にして、県民アンケートと合わせて、いかに自分たちの地域に適した形にしていくかの検討が積極的に行われていました。新幹線の開業による効果を持続していくためには、市町村単体で事業を行うのは限界があり、広域的な、さらに民間との協力が必要になってくると思いました。

他にもさまざまな業務を体験しましたが、今回のインターンシップでの経験や感想をまとめると、次のことが言えると思います。

豊かな、活性化した都市とは、何も大都市のような近代的な建物や交通機関が発達したことではなく、落ち着いた街並みでも、住民が不満を感じず、住みやすい、安心できる、ほっとできる都市も、豊かな都市だと考え直すことができた。
研究室や大学院で学んできたことが現場で実際に活用されていることに気付いたり、これから何を学んでいくべきか、どんなことが必要なのか考えたり、新たな知識を得ることや、改めて考え直すことができた。
今の時代は新聞やインターネットから、詳しい情報まで知ることができるが、実物を「見ること」によって得られる情報や感情は強く目に焼きついて、ずっと記憶に残っていると思った。
また、私が青森県で良かったと思ったことは、地元であるため地理に詳しかったことと、言葉に不自由しなかったことです。(職員の方はほとんど津軽弁でした。)話が通じる、コミュニケーションが取れるということは、いつどこに行っても重要だと実感しました。

私は学部3年生のときもインターンシップに行きましたが、やはり実際の現場が見られることによって、今後の学生生活、就職活動に大きく影響してくるでしょう。百聞は一見に如かず、ただ黙って聞くだけではなく、自ら一歩踏み出して社会を見ることができるというのは、インターンシップでなければできない経験だと思います。

小野寺 直喜(実習先:岩手県商工労働観光部科学・ものづくり振興課)

2008/8.25-8.29


私は、8月25日から29日までの5日間、岩手県庁科学・ものづくり振興課で、岩手県の産業政策を学びに行ってきました。

私がエクスターンシップで岩手県庁を志望した理由は、地域経済の冷え込みが厳しい中、岩手県庁の現場ではどのような問題意識をもち、どのような仕事をされているのか知りたかったからです。また、将来公務員の立場で政策立案をしていくことを希望していますので、現場をみて、現実に即した問題意識をもち、今後の学習に活かしたいと思ったことも志望する理由のひとつでした。

岩手県科学・ものづくり振興課は、①ものづくり産業集積プロジェクト②次代を担う新たな産業群の育成プロジェクトを柱として活動しています。ものづくり産業集積プロジェクトでは、自動車関連企業と半導体関連企業が岩手に立地しており、県内企業がこれらの企業のサプライヤーとしての役割を担うことを目標に掲げ、県内企業の技術力を向上させる活動をしています。次代を担う新たな産業群の育成プロジェクトでは、岩手県の沿岸地域に海洋に関する研究所が集積していることから、研究成果を活かした産業育成を目指しています。

科学・ものづくり振興課での実習では、①自動車関係機関連携会議参加②研究所の会議参加③産学官交流組織夏季講演会参加④事務作業の補助をさせていただきました。自動車関連機関連携会議では、自動車関連の産業政策における今後の岩手県の方向性について、関係者に説明するものでした。研究所の会議では、生物と海洋に関する2カ所の研究所で、今までの活動の報告や今後の方向性について、科学・ものづくり振興課の方と研究所の方で報告・意見交換をしていました。産学官交流組織夏季講演会では、教員・研究者・官僚・企業の代表者が集まり、それぞれの立場から環境に関しての取り組みを発表していました。事務的な作業は、科学・ものづくり振興課が関連するシンポジウムについて岩手県内の関連機関に周知する郵送物を作成しました。

実習を通じて特に印象に残ったことは、自動車関係機関連携会議において、参加者にはそれぞれ立場があり、政策の方向性を決めることで利害関係が生じることです。個人の顔が見えない議論とは違って、参加者間の利害に関してリアリティがありました。また、このような場で決定したことが政策となり、岩手県の経済が形作られていくのだと思いました。

大学院での講義では、現場で起きていることを抽象化して議論することが多いですが、現場では、現実社会の多くの人が関わっている複雑な問題に対処していました。政策を決定する過程では、職員の方や、それを取り巻く多くの人たちを念頭におきながら合意形成していく必要があるように感じました。

HOPSでは、理論と実践を理念に掲げています。理論にあたる大学院の講義では、各科目の領域横断的な学習をすることが出来ます。HOPSの院生は、バックグラウンドが多様なため、公共政策を学ぶにあたって必要となる分野を横断する科目として前提科目が開講されています。前提科目では、専門外の科目を学習するだけでなく、OSとなる思考力を養うことが出来ます。現場では、個々の科目をそのまま活用することは困難だと感じました。なぜなら、現場で対処している問題は、各科目の領域横断的性格を有しているためです。今回の実習を通して、各科目を領域横断的に学習することは、現場で政策を考える際、非常に重要なことだと感じました。

実践のひとつの場であるエクスターンシップでは、現場を知ることが出来、現実に即した問題意識をもつことが出来ます。また、現場の視点で政策を考えることが出来ます。私は、現場で仕事をみさせていただいたことで、現時点で自分に足りないものに気づき、新たな視点を確立することが出来ました。今回のエクスターンシップを通じて得た問題意識を、今後の学習に活かしたいと思います。

今回の実習では、実際に仕事の現場をみせていただき、また私の質問に対してご丁寧な説明をしていただいたため、大変有意義な実習となりました。岩手県庁科学・ものづくり振興課の皆様に心からお礼を申し上げます。

松嶋 貴明(実習先:群馬県青少年こども課)

2007/8.20-8.31

群馬県庁でのエクスターンシップを終えて

私は出身地にある群馬県庁でエクスターンシップを行いました。私は少子化問題に以前から関心があり、地域で出来る少子化政策はどのように行われているかを考えたいと大学時代から考えていました。そこで少子化政策に力を入れており、出身地でもある群馬県でのエクスターンシップを希望しました。

少子化に関して、政策だけではなく現場はどのように動いているのかを知りたいというのが今回のエクスターンシップの目的だと希望調査票に記入し、それを行っている青少年こども課への配属となりました。青少年こども課は母子グループ・保育グループ・子育て支援グループ・青少年育成グループの4つのグループがあります。今回は全てのグループから業務説明をしていただきました。当たり前ですが、それぞれのグループからお話を伺う中で、一つの課でもこれほどまでに多くの仕事が存在していることに驚きました。

青少年こども課は現場との距離が近く、多くの関係機関に伺いました。児童相談所や保育園、保育士を養成する保育大学校など何ヶ所も伺わせていただきました。現場で働く方々がどのような思いでお仕事をされているかを知ることができ、大変刺激になりました。個人的には「保育大学校は少子化の時代でどれほど保育士需要が見込んでいるのか」という需給予測をたてる必要があるのではと疑問が残りました。授業で学んだことで言えば、「保育士養成は本当に行政がやらなくてはならないのか」ということも問う必要があるでしょう。

県庁内での勤務では、自分の質問や考えていることを仕事中にもかかわらず聞いていただけてことがとてもうれしかったです。その中で自分の考えと実際はどうなのかという差異を認識できたことで、まだまだ自分の考えは甘いなと改めて実感し、これからも勉強していかなければならないなと強く思いました。

今回の群馬県庁では、自分の調査テーマはもちろんですが、机の上だけでは分からない実際の現場の雰囲気がどのようなものであるかを認識できたことは大きな経験になりました。今後、この経験を有効に研究に活用していければと考えています。

日野 精二(実習先:兵庫県立男女共同参画センター)

2006/7.31-8.11


私は、7/31から8/11の2週間、「兵庫県立男女共同参画センター」において、エクスターンシップを実施してきました。

兵庫県では、阪神・淡路大震災以降「参画と協働」の重要性を認識し、スローガンとして掲げ県政を行っています。「参画と協働」が如何に行われているかを県民と直に接する現場である兵庫県立男女共同参画センターで体験することができました。以下、男女共同参画センターとはどのようなもので、どのような体験ができたかを紹介したいと思います。

男女共同参画センターでは、「男女が、社会の対等な構成員として、自らの意思によって社会のあらゆる分野における活動に参画する機会が確保され、もって男女が均等に政治的、経済的、社会的及び文化的利益を享受することができ、かつ、共に責任を担うべき社会」(男女共同参画社会基本法第2条)の実現を推進すべく、様々な事務を担っています。その事業は「啓発」「情報」「相談」「女性のチャレンジ支援」「就業支援」「活動・交流支援」「調査・研究」「連携」の8つに大きく分けられます。その中で、2週間の間に実際に体験させていただいた内容は以下のようなものです。

体験した内容として大きく分けると、セミナー等への参加、県庁職員による会議への参加、資料整理というものでした。

まず、「啓発」事業としての地域・職場における男女共同参画づくりの推進リーダーとしてアドバイザーを養成する「男女共同参画アドバイザー養成塾」、「就業支援」事業としての育児・介護等の事情で、在宅で仕事をしたいと考えている人に、必要な知識の講義を実施していく「在宅ワーカー支援セミナー」に参加しました。その中で、結婚・出産などで女性が同じ職場で働き続けることが難しい現状にあるということを実感すると同時に、一度離職した人々の社会への再進出の意欲が高いということも実感することができました。

県庁職員の方々による会議として、本庁と県民局との「県民・文化地域づくり活動支援関係職員合同スキルアップ研修 県民活動支援施設の視察・意見交換会」、男女共同参画センターと有識者を交えた「平成18年度 第1回男女共同参画センター運営委員会会議」に同席させていただきました。そこでは、PRの難しさと情報共有の重要性、1つの施策を作り上げていくために、様々な角度から計画を考察する必要があることを学び、普通では体験することができない県庁内の仕事の一端を体験することができました。

最後に、資料整理ですが、全国紙、地方紙合わせて計6紙のクリッピング作業、情報図書室の整理、データ入力などを行いました。毎日何気なく読んでいる新聞でも、男女共同参画に関する記事が毎日のように掲載されていることから、男女共同参画は現在の大きな社会問題であり、関心も高いということが分かりました。

男女共同参画センターでのエクスターンシップを通して、県民の人々は参画の意識を高く持ち、積極的に参加している現状を実際に見ることができ、また、中央と地方の関係、県庁内の様子など公務員の仕事、現状について垣間見ることができたような気がします。普段では体験することのできない有意義な2週間でした。


河元 隆利(実習先:兵庫県企画管理部災害対策局災害対策課)

2005/8.22-9.2

私は、兵庫県の災害対策局対策課というところで最先端の防災技術について色々と学んできました。そこで、阪神・淡路大震災の経験と教訓から培われたといわれる兵庫県の災害対策事業の紹介をしたいと思います。

まず、私の配属先となった災害対策課のある「災害対策センター」です。
この建物は、どんな激甚災害時にも災害対策本部が機能するように設計されています。
  • 建物はもちろん耐震構造(震度7も平気)
  • 電話や電気、ガス等はすべて2重化
  • 衛星通信も装備(兵庫県内のすべての市町村・県民局・消防局と通信可)
  • 発電機2つ装備(1週間分の燃料を備蓄)
  • 県庁と地下通路で繋がっており、地上が塞がっても平気
  • 高所に位置しており、洪水、津波の危険はない
  • 近くに宿舎があり、即座に職員が集合できる
  • 対策本部は地下に設置。窓なし
  • 各席に電話とパソコン端末、マイクが装備


これは阪神・淡路大震災時の電気もなく、窓ガラスも割れた状態で設置された対策本部の経験から得られた結論です。災害時には情報伝達が非常に重要であるので、司令塔だけは死守しようという考え方です。

この建物、一見完璧かと思ったんですが、一つ欠点を見つけてしまいました。それは部屋が狭いことです。平常時には日常業務に使用しているため、机が並んでおり危機時には大変行動しづらいと思います。残念。

もう一つ有名なのは「フェニックス防災システム」です。これは、簡単に言えば現場の被害情報や救援要請等の情報交換をパソコン端末を用いることによって円滑に行おうとするシステムであります。これも衛星通信と同じように各県民局や市町村、消防局と繋がっており、災害時でもすぐに情報を提供できるようなシステムになっています。

操作は基本的に、ホームページのような外観となっていて、項目をクリックしていくことで情報の閲覧や提供が可能になります。危機時では文章を入力している時間も限られるため、選択するだけでOKというように簡便に入力できるよう工夫されています。また、凄いところは県内の震度計ともリンクされていて、地震が起きた直後にその被害状況、必要救援物資量等を推計してくれることです。これによって初動の判断を非常に迅速に行うことができます。

このシステムも、県内の各市町村、県民局、消防局に設置しているため、数十億円もかかっているそうです。しかし、実際には色々と機能が充実しすぎて、現場の人達にとっては使い方がわからない、入力している暇がないといった問題が発生しているそうです。もっと研修が必要だと言ってました。

このシステムの真価が発揮されるような災害はまだ起こっていないので効果については何も言えないですが、明らかに他の県よりは情報のスピードが違うと思います。

以上の2つが兵庫県の柱となる事業なのですが、その他にも住宅再建支援制度や被災者の心のケアセンター、実践的な防災研究機関設立、広域的防災拠点整備等、様々な取り組みが行われていました。こういった被災地ならではのノウハウがどんどん発信されることで、日本全体が災害に強い国になればと思います。

紹介は以上にして、今回のインターンシップの感想ですが、

  • やはり現場で体験してくるのと家で勉強するのとは、刺激が全然違う!
    • 頭にすっと入ってくるし、覚えたことも結構忘れないものです。
  • インターネットや書籍を読んでも、認識できなかった課題がどんどん発見できる!
    • 絶えず意識するようになるので、気づきやすくなるのでしょうか。
  • 人生勉強になった!
    • 2週間だが、1人暮らしはさびしかった(ずっと実家暮らし)。


私にとってはインターンシップで実務を行うというよりも、研究のための情報収集をしにいったという意味合いの方が強かったので、そういった意味ではインターンシップ生の中ではちょっと異質な感じを醸し出していました。受け入れて頂いた災害対策課の方々にとってはやりづらかったかも知れませんが、私にとっては大変勉強になり、充実したインターンシップでありました。

松田沙央里(実習先:札幌市)

2009/7.27-8.7

7月27日から2週間、札幌市でエクスターンシップをさせていただきました。限られた時間の中で多くの部署で研修させていただき、当初予想していたよりも多くの収穫がありました。

私はHOPS入学前に民間企業で働いており、今回のエクスターンシップでは行政と民間との違いは何かを知るため、また札幌市に住む一市民として札幌市役所の業務やそこに働く方々の生の声を聞いてみたいという興味もあり、札幌市を希望しました。

研修させていただいた部署は、市民自治推進室、政策企画部、改革推進部、広報部、子ども未来局、危機管理対策室と、幅広い分野の部署でお世話になりました。この中で特に印象に残った研修を2つご紹介します。

まず1つ目は、改革推進部で行った、札幌市副市長へのインタビューです。

インタビューさせていただいた小澤副市長は札幌市役所職員の中で最年長だそうで、改革推進部の担当の方も少し(かなり)緊張されていました。副市長室に入った時は私も少し緊張しましたが、小澤副市長は気さくにお話ししてくださいました。今回のインタビューでは学生からも質問できる機会をいただき、直接お話もできました。インタビュー後には市役所内のイントラネットに掲載するための文章も作成させていただき、とても貴重な経験となりました。小澤副市長とお話して、市政に対して受け身にならず、もっと自分から積極的に参加していくことが大切だと改めて感じました。

そして2つ目は、政策企画部で行った、道産食彩HUGの見学です。

皆さんはHUGをご存知でしょうか?私は札幌市に暮らし始めて約1年ですが、今回の研修で初めてHUGを知りました。道産食彩HUGは狸小路商店街の一角に開設されており、道産品のアンテナショップとして平成20年12月19日にオープンしました。HUGの由来は「はぐくむ」「ハグ(抱きしめる)」だそうで、何かの頭文字ではないそうです。ここではHUGマートとHUGイートという2つのゾーンに分かれており、道産の食材を直売し飲食もできるという施設になっています。HUGマートで販売されている食材は、すべてに生産地・生産者が提示され、商品のほとんどに生産者の顔写真を添付した値札を掲示、商品そのものの価格を生産者が決定していくシステムになっているそうです。価格はスーパーで売っているものより若干安いように感じました。道外への道産品の紹介も大切ですが、道内でもあまり知られていない道産品を紹介することで、より北海道に愛着がわくのでないでしょうか。ぜひこういったアンテナショップを市内各地に開設していただきたいと思いました。

本当はまだまだご紹介したい研修はあるのですが、特にということで2つだけ紹介させていただきました。全体を通して感じたことは、行政で働く人は多くのことに興味を持たないといけないということです。もちろん興味を持つだけでは足りなくて、解決するため克服するための策を考える必要はありますが。また現場の雰囲気を感じることができたことは大きな収穫でした。今回のエクスターンシップで経験したことは、HOPSで学んでいる『公共政策』をまた違った視点から考えるためのヒントとして生かしていきたいと思います。

2週間お世話になった皆様、本当にありがとうございました。


吉田 勝利(実習先:札幌市)

2008/7.28-8.8

札幌市役所 経済局 雇用推進課

札幌市における雇用問題とそれに対する対策。季節労働者、フリーター問題についての説明を受け、現場だからこそわかる問題を知る事ができました。
それは労働者と行政側の意識のギャップです。行政側が求職者に対し、一方的に雇用対策を進めていても、求職者側にもニーズや仕事に対する考え方もまちまちであり、そのような行政の手助けを活用しようとしません。雇用政策は、社会のあり方を合理的に考えるだけでは進みません。まずは、労働者の意識改革に取り組まなければならず、一筋縄ではいかない問題です。このような視点も、現場を知っていればこそ聞ける話だと思います。

ものづくり支援担当課

皆さんは、札幌スタイルというブランドの存在をご存知でしたか。札幌ブランドとは、製造業の弱い札幌ものづくり産業を強化しようと、市が認定を行うことにより作りあげたブランドです。自分は全く知りませんでした。地下街、JRタワーのショップを見学させてもらいました。この事がきっかけで、今まで素通りしていたウインドウショップの中身にも、関心を持つようになりました。また、ついでに展望台にも登らせていただきました。これもエクスターンならではの役得ですね。

札幌市東区役所 健康・子ども課 てっちぃ夏まつり事業参加

地域の公園で行われる、夏祭りのお手伝いをさせてもらいました。
お祭りには、遊びまわる幼稚園児・小学生、ボランティアの高校生・大学生、引率で来られる保護者の方々、出店を出す商工会の方々と地域に住む様々な方々が参加します。地域のつどい・娯楽の場を提供する、との行政の役割の一端が感じとれる経験でした。
私が担当したのは、子供に山に見立てた台に上ってもらい、ヤッホーと叫んでもらう催し物の担当でした。単純なものでしたが、思いのほか子供たちが騒ぎながら遊びに来てくれるので、こちらも楽しませてもらいました。

札幌市役所 環境局

「ごみを減らすための4R講座」「ごみ処理施設見学会」に参加。
市民の方々と一緒にリサイクル講座を受け、ごみ処理施設を見学しました。
まず、講座でリサイクルの流れ、リサイクルを考えて一市民として行って欲しいことの説明を受け、その後実際に現場のリサイクル施設に行きました。多分、皆の印象に残る部分は、手選別の作業場と収集所の臭いでしょう。現場を見ると、自分達が、分別やごみを出すときに洗う等の作業を行わなかったらどうなるのか、誰が苦労するのかといったことを知り、分別時に行う人手間の大切さが理解しやすいと感じました。
工場での説明に、ごみに刃物や注射器の針を捨てる人がいて困る、との話がありました。資源という言葉の不理解や、針の周りにプラスチック部分が多い為、資源ゴミで捨てたのでしょう。しかし手選の現場を見れば、針のような危険物を捨てようとは思わないはずです。
夏休み期間から九月にかけ、小学生の見学会が相次ぐとのことでした。幼少期にこのような体験をしておくことは、意味のあることと感じました。

札幌市役所 情報化推進部 コールセンター見学

ここでは、一般的な市に関する問いから苦情、行政に全く関係ないことまで様々な問い合わせが来るそうです。2、3例を拝見させてもらいましたが、本当に様々な内容でした。
ここでの対応一つ一つが市のイメージを形成してゆくわけですが、きっと対応している人の姿は一般の市民の方は想像できていないでしょう。このような内面を見せていただけることは貴重な経験になりました。

札幌市役所 市政推進室 指定管理者制度見直し調査

今回のエクスターンシップにおけるメインの活動になり、5日にわたって行いました。
最近の流れである、民間活力の公共への導入を図る指定管理者制度について聞き取り調査を行い、行政・管理者双方の視点に触れる経験が出来ました。
調査を行った施設を、大まかに区別すると、公募で、民間企業が指定管理者となった施設、札幌市の出資団体が指定管理者となった施設、非公募で指定管理者を選定した施設の3種になります。各団体に一時間程度の聞き取りを行い、運営状況についてインタビュー形式の調査を行いました。
調査自体とても為になるお話が聞けたのですが、市役所からの調査員として各団体に接することで、市役所と各団体の日頃の関係を予想することも出来、面白い体験でした。
例えば、札幌市の出資団体ですと、日頃から市役所とも連携をよくとっている事がうかがえ、自分達への事業説明、質問に対する受け答え等がスムーズに進み、自分達にさほど緊張感もなく接していただけました。それに対し、今回初めて指定管理者になった民間事業者の方は、私達に少し構えて接するような緊張感を感じましたし、私達にどのレベル(細かさ)での話をするか探りながら、受け答えを行っていくとの一面も感じました。
また、聞き取りを開始するなり私たちに熱く意見をぶつけてこられることもありました。
この活動でもっとも為になったと思う事は、調査活動にかかる労力と責任の一端を実感出来た点です。札幌市では約200程度の施設が、公募の対象となっています。それぞれにつき何団体かの応募があるわけで、全てを詳細に調査するにはどれだけの人員が必要になるかわかりません。ちなみに、今回私達は5日で9団体まわらせていただきました。しかし、選定は施設の従事者一人一人の雇用を左右する事にもなるので、その責任は重大です。指定管理者となった各団体も選定作業については、厳正で詳細な調査を希望しています。全体を通して言えることですが、このような制度の問題点も、読んだり聞いたりするだけでなく、実際に関わっていくと、問題意識の深さが違ってきます。

今回のエクスターンシップを快く受け入れていただいた、札幌市役所の皆様方、ありがとうございました。

田部 剛士(実習先:北広島市役所市民協働推進課)

2009/7.27-8.7

私は、2009年7月27日から8月7日まで北広島市役所市民協働推進課にて、エクスターンシップを行いました。エクスターンシップでは、以前より関心を持っていた政策決定過程における市民の役割と市民参加の現状について学びたいと考えていたため、市民協働推進課での実習を希望しました。主に北広島市における市民参加と協働の現状及び課題について学び、充実した2週間を過ごすことが出来たように思います。

北広島市は、クラーク博士が『Boys, Be Ambitious!(少年よ大志を抱け!)』の名言を残したゆかりの地です。また、市内には多数の商業施設が立地しているとともに、豊かな自然が残されています。しかし、少子高齢化をはじめとする多くの問題点が表面化する一方で、市民のニーズはより一層多様化している状況にありました。こうした状況の中で、市民が有する多種多様な思考や視点、知識等を市政に取り入れることを目的として、2009年6月1日に市民参加条例及び市民投票条例が施行されることになりました。

実習期間中には、市民参加や協働だけではなく、都市計画等の会議や委員会、審議会を傍聴する機会が多くありました。特に、市民が公募委員として参加している会議や委員会における活発な議論を目の当たりにしたことは、市民参加や協働を学んでいく上で、大変貴重な経験であったように思います。このような実務の現場を体験したことによって、一つの言葉や文言に対して、受け取る側には様々な捉え方があることや意見が異なる人と合意形成、意思決定を図ることの難しさを改めて認識しました。また、実務の現場を肌で感じることで、これまで講義を通して学んだことの理解をより一層深めると同時に、新たな発見にも繋がっていくということを実感しました。このほかにも、防災センターや消防署等を見学する「夏休み市民見学会」に同行させていただくなど、多くのことを学び、経験することができたと思います。

さらに、市内で活動するNPO団体を視察した際に、職員の方々からは、行政との情報共有と共通認識の形成が重要であること、財政面と人材育成の面で課題を抱えていること、NPO団体の活動が高齢者の交流の場となっているといった点を丁寧に説明していただき、NPO団体の現状や課題について理解することが出来ました。こうしたことは、確かにHOPSの講義においても十分に学習することは可能ですが、現場であるからこそ学べることも多いと思います。重要なことは、「講義で学んだことを現場で活かし、現場で不足していたことを講義で補う」ということではないかと個人的には感じています。

最後になりましたが、通常の業務や会議等の準備で忙しい中、北広島市における市民参加や協働だけではなく、公務員という職業の魅力や苦労等について経験談を交えながら、お話していただき、市職員をはじめ関係者の方々には本当に感謝しています。ありがとうございました。

渡邊 洸 (実習先:北上市役所地域づくり課)

2006/8.28-9.8

私は、生まれ故郷である岩手県北上市の北上市役所地域づくり課でエクスターンシップを行いました。地域づくり課は今年の4月からスタートした課で、協働の推進を主な業務としています。私は、北上市の協働の取組みについて調査することを目的としていたので、この課で実習したことは非常によい経験になりました。

北上市では、市民との協働によるまちづくりに向け、平成12年から市民参加型の研修会や検討会を積み重ね、平成17年5月「協働によるまちづくり推進指針」を策定し、この指針を基に、平成18年4月に「まちづくり協働推進条例」が制定されました。このように、協働の概念部分が着実に整備されていく中、具体的な協働の取り組みとして18年4月にスタートしたのが、市内に16存在していた「公民館」を公設民営型の「交流センター」に移行し、地域の自治組織が指定管理者制度に基づき管理を代行するといったものです。その特徴としては、①それまでいた市役所職員を引き上げ、職員を地域(自治組織)で雇用すること、②それまで行われていた生涯学習・社会教育事業については市が責任を持って継続し、新たに地域づくり事業を交流センターの業務としたこと、③「北上市交流センター条例」によって継続性が担保されていること、④地域づくり事業を交流センター業務にしたことが挙げられます。今回の実習では、主にその各地域の交流センターで具体的にどのような地域おこし事業が行われているか、そしてどのような体制でそれを運営しているかということを視察させていただきました。事業の内容は様々で、地域の歴史的資源を観光資源として復活させる取り組みや、防犯・防災のためにハザードマップを作る取り組み、太鼓フェスティバル等のイベント開催などがあり、50~60代の地域の人々の力と地域づくり課のサポート、そしてそれらの事業を実行するための資金となる地域づくり交付金によって事業が実行されていました。今後の課題として、①地域づくり事業を自治組織が運営する交流センターに任せて、一定の補助金を出していることにより、その使用法によっては地域間格差が拡大するのではないか、②交流センター職員が高齢の方もしくは主婦の方で構成されている、③交流センター職員の給与が低い、④市が地域に任せた地域づくりにどの程度関わっていいのか、又は地域がどの程度主体的に地域づくりを行えばよいのかということがお互いに不明確であるという4つの問題を解決することがあると感じましたが、この仕組みでスタートしたのが今年の4月ということでまだ試走段階であることと、地域の人々の地域おこしに対する情熱、地域づくり課の方々の協働を推進する能力の高さ、北上市をあげて協働に取り組もうとする市長の姿勢を実習で感じ取り、これらの課題は近い将来必ず解決されるものと確信しました。

今回の実習では、HOPSで学んだ協働の理念・仕組みを、実際協働の仕組みにより様々なことに取り組んでいる現場で体感することができ、HOPSで得た知識が整理されより確かなものになりました。また、実際の現場では、どのような能力、知識、経験が必要とされているのかを感じ取ることができ、今後の学生生活においてどのように学習を行っていけばよいのかが自分の中で明確になりました。これらの実習で得た成果を無意味なものにしないよう、今後の学生生活を送っていきたいです。

福島 雄介(実習先:杉並区高齢者施策課)

2006/8.23-9.1


私は杉並区で8月23日から9月1日までインターンをさせていただきました。そこでは高齢者施策課での実習を軸に、介護保険化・介護予防課、その他の施設における実習をしました。

私は、杉並区で22年間をすごしてきました。そして祖母が介護認定をうけデイサービスを利用していたことや、最近になり体調を崩したことがきっかけで杉並区の高齢者対策に興味を持ち、インターンを希望いたしました。

実習は様々な係りの方から、お仕事内容について講義を受け、実際に現場で実習や見学をさせていただくということが主な流れでした。簡単ではありますが、日程ごとの内容を紹介します。

初日は杉並区の行っている高齢者政策の簡単な説明と、高齢者の生きがい作りのための施設を視察しました。午前中の説明は、高齢者施策課にかぎらず杉並区役所全体の説明を受けました。そして庁内を見学させていただき、区長室や広報課のスタジオなど普段入ることのできない場所に入れました。区長室は想像に反して書籍などであふれており、政治家は常に学ぶことが多いのだろうなと感じました。午後は、係の人に付いて高齢者支援センターと娯楽施設である「ゆうゆう会館」にいってきました。

二日目はNPOが運営するデイケア施設に研修にいきました。そこは比較的元気な方が利用するデイケアのための施設でした。私たち実習生は配膳のお手伝いや、利用者の方々のお話し相手などをしました。施設で研修をしてみて、スタッフの方々の気遣いが行き届いていると感じました。地域サービスというのはこのようなスタッフの方々が頑張ってなりたっているのだと感じました。

三日目のエクスターンは午後からでした。午後に研修「区政の現状と課題」ということで、180名の三十代の職員の方と共に講義をうけました。はじめに山田区長がお話をされました。次に職員の方(課長)から税制などの講義、及びこれからの杉並区はどうあるべきか、ということの講義をうけました。全体的にNPOや民間との協働ということが強調されていました。

四日目は介護保険課でのエクスターンでした。講義形式によって、各係の方が仕事内容について説明してくださいました。介護保険課はその名の通り介護保険をあつかう課です。

先日行なわれた税制改革によって介護保険料が値上がりし、苦情の処理などが大変そうでした。現に講義をうけている最中にも窓口の方から区民の方の声が聞こえてくるなどのハプニングもありました。住民のかたとの距離が一番近いということで、国や都の決めたことでも区役所に苦情がくるということです。そのような住民の方に納得していただくためには、誠心誠意をもって説明にあたらなければ納得はしていただけず、大変であると感じました。しかし扱う金額も大きく、大変やりがいのある部署であると感じました。

五日目は社会福祉法人が運営するデイ・サービスに行ってきました。先日いったデイ・サービスよりも利用者規模が三倍ほど大きいところでした。また認知症のかたのフロアもあり、デイ・サービスにも様々な形態があることを身をもって知りました。

そこでの仕事は主に利用者とのふれあいでした。そのため午前はパズル、午後は将棋をしながら利用者のかたとお話をしていました。

六日目は介護予防課での研修でした。主な仕事は高齢者の方が寝たきりや、介護保険を使うような状態にならないようにすることです。プログラムとしては筋力の維持やひきこもりの防止、栄養講義などです。実際に筋力維持のプログラムを見学させていただきました。

そこで感じたことは、ボランティアの方の協力が大切だということです。7、8人のスタッフのうち半数がボランティアで、このような協力関係が地域に根ざせば高齢者の引きこもりなどは減るのではないでしょうか。ただ高齢者の方は「自分はまだ若い」と思い、参加率がなかなかあがらないということです。

七日目は午前中に包括支援センター、午後にリハビリ教室を見学してきました。包括支援センターは、介護保険に該当しない方の相談や介護保険に該当する方のケアプランの作成などを行なっています。リハビリ教室では、比較的元気な高齢者の方と一緒に革細工をしました。そこは六ヶ月という利用期間付きの施設です。本日は月末ということもあり卒業式でした。ただ利用者は「せっかくなれてきたのに」というお気持ちがあるらしく、サービスに期限をつけなければならない状況とその点をいかに折り合いをつけるかが難しいと感じました。

エクスターン最終日は、杉並区の敬老会のお手伝いでした。島倉千代子さんが来られるということで大盛況でした。そこでは場内の道案内や、来場されたかたの入場券の整理等をお手伝いしました。ただ残念なことに大盛況すぎて、立ち見の方や入場できない方々がおられました。そのためなかには職員を怒鳴りつける方もおり、介護保険課でも感じたことですが地域の人々と距離が近いということはこのような苦労も負うということなのだと感じました。

エクスターンシップに行ったことで、働くということがいかに大変でありいかにやりがいのあることかということを実感しました。受け入れてくださり、貴重なお時間をとってくださいました杉並区役所のみなさまにこの場をお借りして、お礼を申し上げます。

後藤 亮太(実習先:神戸市産業振興局)

2007/8.6-8.10

私は夏季休業を利用して、神戸市役所産業振興局庶務課に8/6-10の5日間実習生としてお世話になりました。
学部時代の専攻は土木工学でしたので、産業振興とは実習に行くまで縁がありませんでしたが「敢えて知らない分野へGO」とのスタンスから今回の実習先を選択しました。

さて実習内容はと言いますと、なんと女性の雇用政策提案。
昨年まで「土」とか「コンクリート」をいじっていた人間に果たして、勤まるのか不安がありました。ところがいざ調査を開始すると、大学院で学んだことが自らの思考ツールとなっていることに徐々に気がついてきました。HOPSの理念である「理論と実践」が実感できたわけです。

また「ものづくり職人大学」「北野工房」「シューズプラザ」では職人によるものづくりの現場に立ち会うことができました。産業振興というとデスクワーク中心のイメージがありましたが、実際は様々な場所に足を運ばれているとのことでした。また私の生まれ育った神戸の地場産業を再認識できたことは大変勉強になりました。

実習を終えた今、エクスターンシップに関して改めて感じることは「大学院以外で学ぶことの大切さ」です。最終日に雇用施策を職員の方々に提案したときは、全身から汗が噴出しそうなほど緊張しましたが、その場のやりとりは非常に有意義なものでした。

学生としてひとり、職場という社会に飛び込むのは勇気のいることかもしれません。でも苦労した分その見返りも大きいはず。HOPSではエクスターンへの準備時期に充実したサポートを受けられたため実習中には明確な目的のもと、充実したエクスターンシップになったと思っています。

石山 陽大(実習先:南幌町まちづくり課)

2007/8.10-8.31

<南幌を選んだ理由>
約3週間、南幌町役場「まちづくり課」にエクスターン生として勉強してきました。役場を選んだのは、公共政策大学院での私のテーマである「物事の本質的な要素を見抜く」ということにおいて、行政における現場の視点が学べるのが基礎自治体である役場だろう、という希望的観測があったからです。

また南幌町の人口は、平成2年に約5600人、そこから10年で約4300人増加し、現在は約9300人程度で落ち着いていますが、当時の人口増加率が全国でもトップクラスであったために、どんな秘策があったのかな、と気になったので選びました。

役場では、私は今までの南幌町の人口増加の原因を調べると同時に、南幌町の「お試し移住」のこれからについて、最終日に町長にプレゼンするために、ヒアリングを中心に、デスクワークをしました。

<印象に残ったこと>

現在、南幌町をはじめ日本全国の様々な自治体で「お試し移住」という期間を限定して、移住がしてみたい方を対象に、実際に住んでもらうという事業が進んでいます。南幌町にも夏季は2組、計6名の方が本州からお試し移住をやりにきていました。

その人たちから、お話を伺う機会にも恵まれたのですが、やはり私の立場は、役場に属するエクスターン生なので、なかなか本音を聞きだすことはできません。

そこで、「本音を聞くためには、飲まなきゃだめじゃないか!」という知り合いのアドバイスのもと、ある日業務が終わった後、お試し移住の人を誘い、

地元に長く住んでいる農家さん
15年前に引っ越してきた一般住民の方(職場は町外)
お試し移住体験者(本州の人)
と、3つの立場に属する人たちと、お酒を飲みつつ話す機会を開き、本音の部分を直接聞きました。私がなにより幸運だったのは、南幌町に住んでいる北大生と知り合いになれたことで、この飲み会も彼の借りている家で開いたので、彼がいなければ、ここまでうまく物事は運びませんでした。この飲み会により、これからの移住政策のための、住民の意識が理解でき、大変助かりました。飲みながらでしたが、メモ帳を片手に必死に書き残して、翌朝、思い出しつつ書き起こしをしました。飲み会は飲み会なので、楽しかったです。

<さいごに>

またデスクワークでも、住民の苦情の対処をみる機会に恵まれ、新聞社の人と地方の役場との距離、時には警察官もやってきますし、普段そういう風景をみていない私には刺激的でした。また、臨時議会も開かれていたので、その傍聴をし、地方議会の現状が不安になったりしました。

来年エクスターンをする方々も、自分の第一志望だけ探すのではなく、気になるところを探し、実際に行ってみることで、いろいろな経験ができるし、興味関心の幅が広がるので、トライしてみてください。

南幌町史始まって以来の、大学生の受け入れで様々な点で、関係者の方にお世話になりました。大変ありがとうございました。

岡部 裕喜子(実習先:北海道白老町役場広報広聴課)

2005/8.1-9.19

今回私は北海道白老町白老郡の白老町役場の広報広聴課にインターンに行ってきました。白老町は出前講座・出張講座(町長自ら町民にレクチャーする講座や、町役場の職員が町民の依頼を受けてレクチャーをしたり、町民が聞きたい内容を集め役場でその内容に即した人物に講演を依頼したり)、他の自治体には見られないものをやっていました。この業務を担当していたのが広報広聴課だったのと、シンポジウム企画委員会にいるので、広報の業務でシンポジウムに何か活かせると思い体験してきました。

全てを紹介するのは無理なので印象に残った事を紹介します。

まず、業務初日・・・
日本はお盆と言う時期があるので8月は広報で行う出前講座や出張講座は殆ど休業状態。と言うことでした。しかし、広報の方達はとても親切に、過去の以来や、依頼を受けてからどうシステムが作動していくのかを丁寧に教えてくださいました。なぜこのようなシステムがあるかというと、白老町は苫小牧市と登別市にはさまれていると言う地理的状況と、合併をしないと宣言をしているからです。合併をしないためにも、町民達に財政知識や、街を維持するための基礎的知識や、ノウハウを知っていて欲しい。町づくりは人づくりからという信念があるからということでした。

これ以外にも、商工会と連携を取り空き店舗対策など独自の取り組みをしていました。出前講座は滞在期間中1回も開かれませんでしたが、業務的には9月広報の取材に同行し、記事を作ったり、写真を撮ったりしていました。毎日朝から夕方まで家畜市場での白老牛の相場や、地元の中学生がボランティアとして活躍している姿などをカメラに収め、住民からの情報発信の整理をしたり、9月は防災の月なのでそれに特化した記事を編集したりと。また、白老はアイヌ民族で有名な所でもあり、アイヌ民族の伝統を伝えるための式典が行われたり、アイヌ民族博物館での催し物などを広報を使い幅広い人たちに白老を知ってもらおうという貴重な情報発信基地だという事が実感できました。職員ではないのでアクシデントやクレームが来ても対応は出来ませんでしたが、大学ではあまり体験できない事を体験できて非常に有意義なものになりました。

最後に、規模が小さい自治体にインターンに行ったことで、住民にとって良い政策は何かということや、地方自治体が現実的に抱えている問題などを実際に見たことで机上では説明しきれないものを理解したように思われます。インターンとは就職せずに社会体験が出来るだけではなく、今まで授業では見えなかったものや、理解しきれなかったものを繋いでくれる橋の様な役割をしていると思います。今回はインターンを見合わせた人や、いけなかった人、は来年挑戦してみてください。絶対何かを得られると思います!!

岡田 悠生(実習先:北海道標津町)

2010/9.13-9.27

今回、私は道東の標津町にて2週間の実習を行ってきました。標津町を実習先に選んだ理由は、先進事例としてたびたび紹介されている標津町の観光まちづくり興味をもったこと、また将来自治体職員となることを志す中で、標津町の様な小さい規模の町で働くということはどの様なことなのか経験してみたいと思ったからです。

標津町での実習期間は、ちょうど町の主産業であるサケ漁がさかんな時期であり、「あきあじ祭り」や今年が初めての試みである「標津マルシェ」の開催、さらには修学旅行の受入などが続いており、職員の方曰く「こんなに忙しいことは滅多にない」という日々でした。私の実習も最初の数日こそ、机に座っての資料閲覧や議会傍聴など役場の中で過ごしましたが、その後は修学旅行への同行や、いもほり、施設の飾り付け、皿洗い、祭りの準備・撤収など、役場外でのいろいろな作業を経験しました。私自身、外での作業は好きなのですが、正直、役場職員がここまでやるのか!という印象を持つこともありました。職員さんも「こんなにいろいろやる自治体はなかなかないんじゃないか」と仰っていました。

標津町に来る修学旅行をはじめとした観光客が、サーモンフィッシングや新巻鮭づくり、湿原散策等々を体験する「ほんもの体験」では、その道のプロである各町民がガイド役を担い活躍しています。ここでは役場職員は、体験受入の調整や団体旅行者の町内での誘導など、一見すると旅行業者かと思う様な働きをしています。

また、今年が初の試みである「標津マルシェ」は、東京から招いたシェフの指導の元に地元産の食材を用いて作った料理を、町民や観光客に振る舞うという企画でした。調理スタッフは、町の料飲店の有志や役場の臨時職員が中心となり、会場設営・給仕・皿洗い等は役場職員が担いました。参加者の多くは町民だったのですが、これまで町の名物と捉えられてきたサケ・ホタテと言った海の産物のみでなく、標津には有機野菜や牛乳などもあるということを町民にも広く知ってもらい、これからのまちづくりに生かしてほしいという思いが、このマルシェには込められていました。

観光体験の受入、標津マルシェは、どちらも以前は無かった取り組みであり、将来的には民間・住民といった地域主体がその役割を主導的に担っていくことが目指されています。行政が一歩進んだ仕掛けや演出を行い、それを地域が受け止めいていく…そして、仕掛けを受け止めた地域が新しい取り組みを行う際には、必要な支援を行政が行い、さらに行政は次なる仕掛けを打っていく。この様にして、町が未来へ向かって進み続けるようなプロセスを上手くコーディネートしていくことが、標津町において行政が目指している役割であると、実習期間中の様々な機会を通じて教えて頂きました。

「未来へ向かって進み続ける」という思いのもとには、「このままではいけない」という危機感があります。過疎化、高齢化などの地域問題に加え、近年のサケの不漁などに対して、標津町は強い危機感を持っています。危機感を持っているからこそ、新しい仕掛けを打ち出せるのであり、行政として危機意識を持つことの重要性をそこに強く感じました。

様々な経験をした標津町での2週間はとても充実していましたが、その中で、町の中心街に人通りが少ないことは少し寂しく感じられました。実習中の私を含め役場の職員さんは近場への移動の際にも、ほとんど車を使用していました。修学旅行等の観光客も、町内ではバス移動が主で、私の見る限り町内ではほとんど歩いていませんでした。

地方では移動や買い物等、車が一人一台必需品となっていますが、なるべく歩くようにすることも必要ではないかと感じます。歩くことにより車に乗っていては気づかない地域の新たな発見や、人とのふれあいが生まれる可能性が高まります。それは、根本的な解決策ではないにしても、町の活気づくりにとって重要なことと考えます。特に、外から来た観光客に「歩いてみたいな」と思わせるような町の雰囲気(=人通りのある町)を作り出すことが、今後、更なる観光まちづくりを進めていく中で必要ではないでしょうか。

是非、余裕がある時には町を歩いて移動することを「一歩先を行く」標津町役場の職員さんから実践してほしいなと思います。私も実践します。

最後に、実習期間中は本当に忙しい時期だったのですが、企画政策課・商工観光課を中心に標津町役場の皆さんには、ここに書いた以外にも様々なことを教えて頂きました。本当にありがとうございました。今度はまた季節を変えて、まだ見ぬ標津町の姿も見に行きたいと思います。

佐藤 大祐(実習先:徳島県勝浦郡上勝町)

2008/8.11-8.22

みなさんは、徳島県勝浦郡上勝町という町を知っていますか?もしかしたら、おばあちゃんが葉っぱを売っている町と言った方が分かる人が多いかもしれません。高齢化率は50パーセントに近く、人口も約2000人と、徳島県で最も小さな自治体です。

私がこの上勝町に興味を持ったのは、元気な自治体を実際に見てみたいと言う思いがあったからです。この上勝町では、寝たきり老人が数人しかおらず、一人あたりの老人医療費が徳島県で最も低い自治体だそうです。

元気な自治体はどういうところが違うのかということを、実際に人々との交流を通じて肌で感じたいと思ったのが私が上勝町にエクスターンシップをお願いしようとした一番の理由です。

実はこの二週間のエクスターンシップを通じて役場の中で作業をしたと言う場面はほとんどありません。町でクリーニングできる場所がないことで困っていた当初の悩みが、Yシャツを持ってきすぎてしまったという悩みに変わったほどです。もっと汚れても大丈夫な服をたくさん持ってくるべきでした(笑)ですから、今回のエクスターンシップは、上勝町役場でというよりも、上勝町そのもので研修しているという感じでした。

上勝町のゴミステーションに行って分別のお手伝いをさせていただいたり、デイサービスのおじいちゃんおばあちゃんとお話をしたり、町の各地区のお祭りの準備段階から参加させていただいたり、農家の作業をお手伝いしたりと、本当にたくさんの人達と交流を深めさせていただきました。

上勝町にいると、本当にみんなが元気で社交的で、いつの間にか自分も町民になれたような雰囲気にさせてくれます。ある日のお祭りの後には、お疲れ会でみんなで朝の三時半まで飲みながら語りつくした上、寝ていた翌日の朝にたたき起こされて拉致(?)され、山の手入れの体験をさせていただいたりしました。本当にみんなよく動くし、外から来た人に対してとても手厚く歓迎してくれました。

この町に来て、おそらく町民の2~3割の方々と交流を持つことが出来たと思います。その中で本当に強く思うことは、自分で考えて進んで行動し、積極的に動いている人が多いということです。各地区の祭りもみんなの手作りなんです。だから地区ごとに個性がはっきりとあらわれているから楽しいし、作り上げる側も心のそこから楽しんでいるんです。そこに年齢の差は関係ありません。みんな大人の人達もキラキラしていて、少年の輝きを失っていないんです。

この町には、主役になれる人が無数にいます。ですから、何人の人と会っても、また新しい人に会うたびに、この町はどこまで奥が深いんだ、と思わせてくれる人が続々と登場しました。

この町が元気な人が多いのは、なにも町内の人達に元気な人が多いからだけではありません。外から移り住んでくる人が多く、彼らがさらにまた町を盛り上げているのです。町に魅力を感じ、Iターンで移り住んできた人もいました。葉っぱビジネスで生き生きと生活しているおばあちゃんの姿を見て、思わず戻りたくなって帰ってきたUターンの人もいました。

はっぱビジネスの創始者の横石さんはこう言っていました。「自分は町おこしとか、町づくりとか、そういうことをしようと思ったことは一度もない。ただ、当時なにもしていなかったおじいちゃんおばあちゃんのすることを作ろうとしただけだ。」

この言葉はとても大切なことであるような気がします。横石さんは、お年寄りがやることを作っただけでした。しかし、それによって社会への出番を得た多くの人々が元気になりだしました。そして、それを見て何かを感じた子どもたちが、町に戻ってきたりしました。そうやって活気づき始めた町を見て、上勝町とはゆかりのない土地から移り住んできた人もいました。

まずは自分が充実した日々を送っていれば、そして地域全体が生き生きとした表情で毎日を過ごしていれば、それを見てこの町にいたいと思うし、外からも魅力を感じて人がやってくる。そういうことを感じさせられた二週間でした。

もし少しでも興味を感じた人は、実際に上勝町に出向いて町の雰囲気を味わってきてほしいです。町の景色も素晴らしいし、料理ももちろん素晴らしいですが、ぜひ人を見てきてほしいと思います。上勝町の何がすごいのかは行ってみなければ分からないことがたくさんあります。それは、そのヒントが一人一人の人の中に隠されているからです。

私もまた、上勝町の魅力を味わいに町を再び訪れたいと思います。この二週間で家族のように接していただいた皆さんとの再会、そして新たな出会いを求めて。
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