金子 直広【10期生】

2015年度 シャムロック・プログラム

派遣先:アイルランド国立大学ダブリン校

金子 直広【10期生】

社会人学生としてHOPSで勉強するということだけでも十分に貴重な経験といえますが、その上更に「留学」までさせていただいたことは、私の生涯の思い出になることでしょう。アイルランドでの10週間は、英語力の向上はもちろんですが、それ以上に、目を見開かされるような経験の連続でした。

1月中旬、アイルランド国立大学ダブリン校での学習がスタートしました。スイス、スペイン、メキシコ、サウジアラビア、UAE、韓国など、多様な国の生徒が集まっていましたが、その中には「訛り」の強い英語を話す生徒がいて、クラスメイトの英語を理解するのは、先生やホストマザーの英語を理解するよりもよほど大変でした。ところが、時が経つにつれて徐々に耳が慣れてきて、クラスメイトの英語も徐々に理解できるようになっていきました。ネイティブの英語だけが英語ではないとつくづく感じました。最後の授業の後、スイス人とメキシコ人のクラスメイトとビールを片手に笑談したことは、良い思い出です。

週末には、アイルランドの地方都市や英国への小旅行を楽しみました。中でも最も印象に残っているのが、北アイルランドのベルファストです。ベルファストへの小旅行の前は、「英国領とはいっても、アイルランド共和国内の他の地方都市と同じようなものだろう」と思っていましたが、その予想は完全に裏切られました。街の雰囲気が、アイルランド共和国とはどこか違います。さらに驚いたのは、街の西部に、peace lines という高さ数メートルの壁があり、カトリック教徒の居住地とプロテスタント教徒の居住地を隔てていることです。Good Friday Agreement からまもなく20年になろうとしていますが、問題の根深さをまざまざと見せつけられた思いでした。ダブリンに戻ってから、ホストマザーにベルファストで感じたことなどを話したところ、ホストマザーはいろいろなことを教えてくれましたが、中でも、“They are more British than the British.” と言っていたことが、今でも耳に残っています。

私が滞在した2016年は、イースター蜂起からちょうど100年目に当たり、それに関わる様々な催しが各地で行われていました。また、滞在中、ちょうど Dáil Éireann (議会の下院)の選挙が行われました。これらのイベントを現地で体感することができたことは、非常に運が良かったと思います。シャムロック・プログラムに応募するに当たっては、私の心の中に葛藤がありました。それは、こうしたプログラムは将来のある若い方のためのものであり、私のような社会人学生が手を挙げるべきものではない、というものです。それでも、自分の人生においてこうした機会は二度とないだろうとの思いから手を挙げさせていただきました。私の経験をHOPSの学友に少しでも還元できるよう、努めていきます。このような貴重な機会を与えてくださったHOPSの先生方、そして留守を預かってくれた妻に、心から感謝しています。

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