HOPS研 概要
overview

公共政策学研究センター長 吉田 文和公共政策学研究センター長 吉田 文和

ごあいさつ

 いま世界と日本は経済・社会・環境の三面にわたる危機を迎えています。とくに日本は戦後最大の不況に突入しつつあり、おりしも少子高齢化社会を迎え、21世紀にアジアにあって、どのような理念と戦略をもち、この難局を乗り切っていくのか、事態の正確な分析と対処方針が切に求められています。集中治療室に収容された重体の病人の診断には、各臨床医学からの診断が必要なように、重体に陥った日本経済社会の総合的な分析診断を行い、それに基づいた適切な処方箋が必要なのです。市場万能主義が引き起こした破局の解決に公共政策の果たす役割はますます大きくなっています。

 北海道大学公共政策大学院は、社会に開かれた専門職大学院としての教育・研究機関であり、法学・政治学・経済学・工学の各分野の専門家を多数擁しており、21年度は集中的に、この問題に立ち向かっていきたいと考えています。教育・研究機関として、社会的責任を果たしながら、教育・研究の成果を社会に発信していく所存です。

 とくに、本大学院は文理融合型と理論・実務架橋型の研究教育を特徴としており、今年度はその取り組みの一環として、以下のトピックスに焦点を絞った連続シンポジウムを開催し、その成果をまとめ、社会的に公表する予定です。

  1.世界経済とアメリカ経済
  2.金融経済
  3.財政政策
  4.経済政策
  5.雇用政策
  6.BRICsと地球問題群
  7.環境(グリーンニューディール)  
  8.東アジア

 戦後最大の危機にある日本は、いまその近代化と文明の転換点に立っているといえます。世界に中に日本を位置づけ、その歴史と役割を正確に評価することが、危機を機会に変えるもとになるのです。